あの大女優たちが「ヌード」になった理由

売れようとしたのではなく…
週刊現代 プロフィール

『妹』ではそんな秋吉の不思議な魅力が観客を惹き付けた。この映画で彼女は独特な脱ぎ方で裸身を見せる。

「兄役の林隆三が一人暮らしする部屋にある日、妹役の秋吉さんが転がり込んでくる。そこで、自然な日常として妹は風呂上がりに全裸のまま髪を乾かす。妹の裸に女を感じてしまい、それに兄が戸惑う。

有名なシーンですが、台本には脱ぐとは書いてなかったと記憶しています。監督がその場で演技指導すると、秋吉さんは当然のこととして受け止めていました」(岡田氏)

 

清純派からの脱却

3作目の『バージンブルース』も見事だった。浪人生役の秋吉と長門裕之が演じる中年男性によるロードムービー。ラストには、お互いの傷をなめ合うようなラブシーンがある。

その翌朝、長門が目覚めると布団に秋吉がいない。窓の外を見ると、海岸で彼女が浴衣を脱ぎ捨て全裸になり、そのまま泳ぎ出した―。

「それを長門はボーッと見ている。秋吉は、不条理なシーンで脈絡なくあっけらかんとしたヌードを見せる。当時の彼女の演技は桃井かおりと同じで、地で演じているかのような感性を前面に押し出した芝居が新鮮でした。裸になることも含め、天衣無縫のような魅力があったのです」(映画評論家・高崎俊夫氏)

バージンブルース「バージンブルース」(Amazonより)
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そして10年後、31歳になった秋吉は、渡辺淳一原作の映画『ひとひらの雪』('85年)で、建築家(津川雅彦)との不倫に溺れる人妻を演じる。露天風呂や喪服姿でのセックスシーンは10代の頃とはまったく違う妖艶さを醸し出していた。

昭和を代表する美人女優・古手川祐子(59歳)も26歳の頃、裸身でのベッドシーンに挑んでいる。

'85年公開の『春の鐘』だ。北大路欣也が演じる美術館館長が、陶芸家の娘(古手川)と不倫の恋に落ちる。立原正秋が原作で、芦田伸介、三田佳子、中尾彬らが脇を固めた文芸大作だ。

古手川と北大路の濡れ場は2度ある。

1度目は布団の上。二人は一糸まとわぬ姿で抱き合う。暗闇の中、北大路の右手が露になった古手川の胸を揉みしだく。次にその手は彼女の下半身へ。古手川は上半身を反らせて胸を揺らし、恍惚の表情を浮かべる。2分ほどのシーン。古手川の喘ぎ声が耳に残る。