あの大女優たちが「ヌード」になった理由

売れようとしたのではなく…
週刊現代 プロフィール

秋吉と親交が深い映画監督、映画評論家の樋口尚文氏が解説する。

「映画で女優が脱ぐシーンは、シチュエーションの説明である場合が多いのですが、秋吉さんは、自らのヌードを恥ずかしい姿としてではなく、表現として肯定的にやっている。決しておどおどしていないんです。

あの幼い顔と豊満な身体が掛け算されることで、なんとも痛ましい印象を観客に与えました。しかも脱ぎっぷりがいい。裸体が醸す痛ましさと初々しさ。当時の大学生はノックアウトされました」

 

この映画には長門裕之や小松方正、ら演技派も出演。'74年度キネマ旬報ベストテンで9位にランクインした。

樹木希林Photo by gettyimages
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続けて、秋吉は同年に公開された藤田監督の『妹』『バージンブルース』にも主演した。この3部作がヒットしたことで、無名だった彼女は、わずか1年でスター女優の仲間入りを果たした。

『赤ちょうちん』『妹』のプロデューサーを務めた岡田裕氏は当時をこう振り返る。

「学生運動が急激に下火になった時代の映画でした。シラケ世代と言われ、内向きになった若者のムードと、天真爛漫な秋吉さんの空気感、そして藤田監督の演出がマッチした。『赤ちょうちん』はもちろんポルノ作品ではないので、殊更に強調はしませんが、あどけない少女がサラッと脱ぐ。そんな瑞々しい色気も新しかったと思います」