二階堂ふみが纏う、一周回って新しい「昭和の女子」的な魅力について

『ストロベリーナイト・サーガ』の鳥肌
堀井 憲一郎 プロフィール

法廷での姫川を演じる八木優希も、静から動への転換が見事で、胸を衝く。

そのあと警察官が次々と起立して敬礼するシーンの描き方もきちんとしていて美しい。すっすっすっと自然に全員が立ち上がる。姫川と殉職巡査の親だけが驚いて着席のままである。その対比も含め描写がじつに丁寧だった。

2019年版(連ドラの時)のこのシーンの底には「やさしさ」が流れていた。なぜ、そう感じたのかよくわからないが、その空気が強く胸を衝いたのだろう。

 

2012年版を見返して感じるのは「きびしさ」である。犯罪被害者の厳しさ、殉職する現実の厳しさ、そういうものが迫ってくる。

これが竹内結子版と二階堂ふみ版の基本的な違いなのではないだろうか。申し訳ないが、私は二階堂ふみ版のほうが好きである。

4話の法廷シーンは41分ころから3分余りである(CM込みの放送の時刻)。もし見る機会があったら確認して欲しい。繰り返し見てると、高校生役の八木優希の演技の幅が利いているのがわかる。彼女のやさしい雰囲気と一撃の鋭さが、いくつもの空気を切り裂いていく。

前作では、プロローグ編を見てない者には伝わらなかったシーンである。これを4話に入れこんだことによって、主人公姫川玲子の何かがわかった気がする。そういう「丁寧な組み直し」も今回のリメイクの狙いだったのではないか、とおもった。それはそれで届く人には届いているようにおもう。

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