お立ち台のように木に集まってダンスを披露! 極楽鳥の秘密

世界初公開ショットを特別にチラ見せ!
NHKの番組『ダーウィンが来た!』でも紹介され、今話題沸騰中の鳥・極楽鳥(フウチョウ)。野鳥を追い続けてウン十年、集大成となる写真集『LAST PARADISE』発売を7月19日に控えたベテラン動物写真家・嶋田忠さんに極楽鳥の魅力をインタビューしてみました!

全3回でお届けするインタビュー録、第1回の今回は世界中の人々を魅了する「極楽鳥」という鳥がそもそも何者なのか、というテーマでお届け。今回は特別に写真集には掲載していない未公開写真もおかりできました!

天敵がいない理想郷で、ド派手になった鳥

──さっそくですが、「極楽鳥」ってどういう鳥なのですか?

世界でニューギニアとオーストラリアの北東部にしかいない鳥で、全部で42種類います。

僕がよく行くパプアニューギニアにはそのうちの32種類、つまり全体の4分の3の種類がいます。オスの体の一部に「飾り羽」というものがたくさん隠されていて、メスに求愛をするときに大変身してしまいます。

求愛ダンスを踊るアオフウチョウ

ここから踊りながら変身していきます。前が開いて、飾り羽が出てくるんですよ。

おおもとはカラスの仲間なので、カラスと同じく頭がとてもいい。とても華麗な姿で求愛のために踊るんですけど、こういうのは頭がとてもよくないとできないですから。

──極楽鳥はなぜこんなにもド派手に進化してしまったのですか?

この辺の島には天敵がいないんです。肉食のネコやイタチのように、直接的な被害を与えられる存在がいない。

一番の天敵となり得るのはサルです。巣を襲われるのはもちろんなんですが、サルは極楽鳥の主食である木の実の一番の略奪者なんですよ。極楽鳥にとってサルは「命も危なければ、食料も奪われる」っていう凄まじいグループなんです。それらがいないっていうのは大きい。

極楽鳥は体も大きいんですよ。平均してハトくらいの大きさがあって、これくらい大きいと他の鳥に対して割と強く出れるんです。圧力をかけて、木の実を独占できる。

食べるのに困らなければ、生き物っていうのは繁殖の方向に進化するんです。

「メスのふり」をしてモテ技術を盗む!?

──極楽鳥の子育てって、どういうものなのですか?

オスはひたすら着飾ってダンスを踊ってメスを惹きつけようとするんですけど、メスは地味なんです。子育てにはその方が有利なのかもしれませんね。

あと、メスは卵を産む数も少ない。一度に一個しか卵を産みません。ほとんどの極楽鳥はメス一羽だけで子育てをするので、一度に育てられるのは一個体だけなんですね。

「天敵がいない」というのも卵が少なくていい理由の一つですね。

卵をいっぱい産むのは食べられてしまう側の理屈なんです。たとえばシジュウカラは一度に卵を10個以上産むんですけど、ヘビにやられちゃったりするので、ちゃんと育つのは1羽か、運が良くて2羽。そんなもんなんです。

極楽鳥は、1羽を確実に育てられる強みからこのようなスタイルになったのではないでしょうか。

──極楽鳥は何年くらい生きるものなのですか?

けっこう長生きするみたいですけど、野生のものが何年生きるかまではわからないですね。たとえばオウゴンフウチョウモドキ(ニワシドリのなかま)は、この色になるまで最低5年かかる。

オウゴンフウチョウモドキ

極楽鳥は自分の縄張りでダンスをして求愛をするわけなんですけど、これにはものすごいテクニックがいる。なので、それを学ばなきゃいけないんです。

普通の鳥ってメスは2年で成鳥になって、卵を産むことができるようになります。一方でオスは2年目だとまだ成鳥にはなれない。オオルリやキビタキは3年目で成鳥の羽根になります。