都道府県の人口差は30倍超に!目を背けたくなる「未来の地図帳」

三大都市圏は関西圏から終わりを迎える
河合 雅司 プロフィール

われわれがなすべきは地域間で優劣を競うことではなく、日本列島で起きることのすべてを「自分ごと」として考える必要があると考えるからだ。

 

宇宙から地球を眺めたとき、そこに国境線はない。それと同じように、日本列島を見下ろしても都道府県境も市区町村の境もない。これから日本列島で起こる人口の変化のすべてが、令和時代に日本列島で暮らすすべての人の問題なのである。

「未来の地図帳」を読めば、これまで以上に人口集中が続く地域も、反対に過疎化・高齢化が深刻化する地域の広がりも一目瞭然となるが、どこの地区に勢いや元気があるとか、ないとかをあぶり出すことが私の目的ではない。どこかの地域を賞賛するものでもなければ、ましてや嘲笑や哀れみのネタを提供しようという考えなど、微塵もない

日本の将来の道を正しく理解しよう(photo by GettyImages)

コンピュータの発達や交通網の整備によって、いまや地域を越えて社会は複雑に結びつくようになった。都市の暮らしひとつとっても、他地域で生産される食料やエネルギーなくしては成り立たない。地方も大都市などからもたらされる新たな技術や文化を抜きにしては、快適な暮らしを手にすることができない。

人口激減地域に住んでいようがいまいが、その時代に日本列島に住む人々にとっての現実を前提として日本社会を作り直し続けていく必要があるのだ。

ビジネスチャンスを掴む一助に

『未来の地図帳』では2つの画期的アプローチに挑む。

ひとつは、現在を生きる人々が国土をどう動いているのかを追うことだ。第1部で、主な大都市を中心に人々が移動する現状を見ていく。これまで部分的な研究レポートやデータ集はあったが、分かりやすくまとめた一般書は見たことがない。

もうひとつは、「未来の日本人」が日本列島のどこに暮らしているのかを明らかにすることだ。これこそが「未来の地図帳」づくりだが、第2部では2015年を起点として、2045年までの日本列島がどのように塗り替えられていくかを、地域別、年齢別、さらには出産期の女性にフォーカスして分析する。

そして第3部では、令和時代に私たちが成し遂げなければならないことを、地域ごとの事情を勘案しながら提案したい。

「未来の地図帳」づくりは、日本全体の人口動態の変化の分析とは異なり、地域間の人々の移動なども加味しなければならないぶん、不確定な要素が多くなる。

だが、不確定な要素が多いということは、現時点では厳しい未来が予測される地域でも、今後の取り組み方次第で「未来」は書き換えが可能ということでもある。厳しい未来が予想される結果となったエリアの方々には、地域の未来を変える手引書として役立てていただきたい。

今後はエリアマネジメントが重要となってくるが、その意味では「未来の地図帳」は人口減少時代を生き残るためになくてはならないツールだ。

自分の住む地域を変えようと立ち上がり、あるいは地域間の差異に可能性を見出そうとする人々にとっての必携書となるだろう。人口減少社会の実情を正しく読み解き、政策展開やビジネスチャンスを掴む一助にならんことを願う。

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