いびつな権力構造の気持ち悪さ

森田:ホテル代を発射課金だと捉えると、そういう発想にもなるか。これって食事における「おごる・おごられる」問題とも、もろにリンクしてるよね。発射課金から考えていくと、「男だから」おごる、「女だから」おごられるものだとされている理由の一端が見えてくるような気がする。

清田:そっか。つまりセックスは男がやらせてもらう側であり、食事やデートはそこに至るプロセスだから、そこも男がおごるべしという発想になるってことだよね。ホテル代に対する価値観を薄めたものが食事代になるという。

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ワッコ:つきつめていくとセックスに行き着くから、「おごられると気持ち悪い」って女性がいるのかも?

清田:ちょっと思ったのは、カップルの場合はホテル代もワリカンが普通じゃない? 俺は恋人と行ったホテル代はいつもワリカンだったけど、みんなはどうなんだろう。

森田:ワリカンが多いような気がする。そこで男が全額払っちゃうと“売春感”が出て気持ち悪く感じられるんじゃないかな。

清田:恋人やセフレ同士だとワリカンがベースになり、それ以外では全額男持ちが基本だとすると、その違いはいったい何なんだって話だよね……。

ワッコ:付き合ってなくたって、わたしはおごられると売春感があって、なんか気持ち悪いですけどね。あー、あのときのホテル代、半額返したいなあ。

森田 すごく真っ当な後悔だね……。売春感にも関係する話なんだけど、「男がおごるべし」という考え方の気持ち悪さって、いびつな権力構造の気持ち悪さでもあるんじゃないかな。実態として男女の収入格差がある時代が続いていて、その格差を埋める形で「男がおごるべし」という意識が植えつけられてきたんだろうなとは思うんだよ。

これは男女双方にとって都合がよさそうに見えるんだけど、決定権であるお金を握ってるのは多くの場合、男だから、実際は不均衡な構造なんだよね。そしてその権力構造は「男らしさ」という曖昧なもので覆われて見えないようになっている。

ワッコ:なるほど。気持ち悪さの正体が少しわかった気がします。