Alquarte創業者の鈴木緑さん

「ランジェリーで女性を救う」Tバックを愛する女性デザイナーの決意

似合う下着は、自立の証だから

日本の女性用下着は、なぜ…?

「Tバックが好きすぎて、ランジェリーブランドを立ち上げちゃいました」

こう話すのは、女性向けランジェリーのオンラインショップ「Alquarte(アルクァーテ)」を経営する鈴木緑さん(30歳)。

 

鈴木さんは静岡県浜松市生まれ。ランジェリーショップに販売員として勤める母の影響もあって、「Tバックを履くのは、高校生の時から好きでした」という。

「形が好きだったのもあるんですが、面積の少ない布に身を任せるような感覚がとてもセクシーな感じがして、着て学校に行くと気分が高まりました」

地元浜松の高校を卒業した後、ファッションに携わる仕事がしたいと名古屋の大学でデザインを専攻し、同じランジェリー好きの女性とも知り合えて、充実した日々を過ごした。

学生時代の鈴木さん

ただ、鈴木さんは当時から、日本の女性用下着に対する「疑問」を抱いていた。

「なぜ日本の下着って、機能性ばかり重視されていて、オシャレな要素が少ないんだろう?」

一般に販売されている女性用下着は、ブラジャーカップのワイヤーの締め付けが強すぎると感じる女性も少なくない。デザイン面でも、男性目線のいかにもな「エロさ」が重視された商品や、それと対照的に、更衣室などで女性同士で見せ合うために作られたのではないか、と思ってしまうような可愛らしい商品がほとんど。

そんなモヤモヤを抱えながら、鈴木さんはファッションデザインの本場パリに留学。そして、衝撃を受けたのだった。

「パリジェンヌは、男の人や他の女性から『どう見られるか』を意識するのではなく、下着にも着心地を重視し、かつ自分の体の特徴に合わせたセクシーさを追求して楽しんでいたんです。

日本だったら『年甲斐もなく…』って言われちゃいそうな、私のおばあちゃんくらいの高齢の方でも、ランジェリー選びをものすごく楽しんでる。ビーチでも、向こうのオトナは平気でビキニを着てますしね(笑)。

フランスの女性にとって、『男性を喜ばせる』ということはあくまで結果であって目的ではない。素敵なランジェリーが生まれる背景には、こうした女性たちの考え方があるんだと痛感しました」

Alquarteの2019年秋冬コレクションより

パリのショップに並ぶランジェリーは、高級でエレガントなだけではない。フランスの女性は、「自分の人生をより楽しむ」ためにランジェリーを選んでいる。ランジェリー文化の背景にある、そんな自立的な女性像に、鈴木さんは何よりも感動したという。