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世界的に注目を集める「ベーシックインカム」その財源の考え方

税の構造を変えるか、税収に頼らないか

「財源」という問いの立て方

これまで2回にわたって、ベーシックインカムが世界的に注目を集めていること、フィンランドでは給付実験が行われてきたことを紹介してきた。

今回はベーシックインカムの「財源」について見ていきたい。筆者自身は「ベーシックインカムの財源」という問いの立て方はミスリーディングだと考えている。

理由はおもに二つある。

 

第一に、財政学では、「ノン・アフェクタシオンの原則」といって、特定の税と特定の支出を関連付けることは、望ましいことではないとされている。じっさい通常、お金に色がないように、税収に色はついていない場合の方が多い。

たとえば、「総選挙の費用は消費税で賄うべきか、所得税で賄うべきか」「戦闘機購入の財源は、法人税をあてるべきか」「霞が関の官僚への給料支払いは、酒税の税収の範囲内でまかなうべきだ」といった言説を思い浮かべてほしい。あまりそのような言説は耳にしない。

第二に、にもかかわらず、特定の政策の財源を問うということがなされる場合は、圧倒的に、社会保障をめぐるケースだ。

消費税で社会保障を賄うといったような言説に典型的である。なぜある支出には財源が問われないのに、別の支出には財源が問われるのか、そのこと自体を問い直す必要があるだろう。

とはいえ、完全ベーシックインカムを導入するなり、あるいはベーシックインカムの導入と同時に社会サービスの充実を図ろうとするならば、既存の税率ないし税収構造を大きく変更するか、あるいは税収に頼らない給付の方法を導入することが不可避だろう。

それぞれ、以下簡単に触れておきたい。