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発達障害があっても働きたい! 自分に向いてる仕事を見つけるには?

ひとりでがんばりすぎず、支援を活用

発達障害の人の就職率からみる職場の理解

発達障害の人への就労支援が年々、広がりを見せています。

地域障害者職業センターなどの公的機関を中心に、近年ではそれらに加えて民間の就労支援事業所が急増し、日本全国で就労支援が受けやすくなりつつあります。

しかし、残念ながら、せっかく就職できても職場の人間関係などになじめないで退職してしまう、などのケースがまだかなりあります。

こうした現状を考える材料として、日本の学生の就職率を調べた結果から、障害のある学生と、そのなかでも発達障害の学生の就職率を調べたデータを見てみたいと思います。これによると、障害のある学生の就職率は8割程度ですが、発達障害の学生では、なんと6割に満たないまでに下がってしまいます。

【グラフ】就職を希望した学生の就職できた割合
  大学、短期大学、高等専門学校を卒業した学生のうち、就職希望の学生が就職できた割合(参考、「大学卒業者及び高校卒業者の就職状況調査(文部科学省)」および「平成29年度(2017年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の就学支援に関する実態調査結果報告書」(独立行政法人日本学生支援機構))

この結果から、企業など職場での発達障害に対する理解がまだ進んでいないことや、求職者が自分の特性に合った仕事を見つけることの難しさが垣間見えます。

では、発達障害の人が抱える仕事や職場での問題にはどういうものがあるのでしょうか?

長期的な就労を妨げる「働きづらさ」とは?

ASDの人はコミュニケーションが不得手とか、ADHDの人はミスが多い、といった傾向はありますが、実際の仕事に対する困難は、人それぞれに千差万別です。しかし、多くのケースに見られる特徴として、仕事が広がっていく過程で困難が生じる、ということが挙げられます。

仕事を続けていくと、発達障害の人が苦手とする対人関係や確認作業などの総合的な能力を求められる機会が増えますが、その過程で困難に直面するのです。

たとえば、就職活動では、履歴書作成や面接などが課題になりやすいのですが、発達障害の人には学生時代に非常に優秀だったという人も少なくありませんので、そういった優秀な人の中にはすんなりと就職できる人もいます。

  学生時代優秀だった人でも直面する「働きづらさ」 photo by gettyimages

しかし、就職活動をクリアした人も、働きはじめると、安定的に仕事をこなすことができず、「仕事が合わない」「職場になじめない」と感じるようになって、ついには退職してしまいます。

さらに、新しい職場に転職しても、またその職場になじめずに退職してしまい、そのような経験が積み重なって、転職~退職~転職~退職~……と繰り返す人も少なくなくありません。その繰り返しの果てに働くこと自体に困難を感じて、失業状態に陥ってしまう人もいます。

ここで、Aさんの例を見てみたいと思います。