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僧侶のM-1?チケット即完「H1法話グランプリ」をご存知ですか

【全文書き起こし】優勝者の法話を公開

宗派を超えて僧侶が集結

僧侶が仏教を説く法話で、「また会いたいお坊さん」を選ぶイベント「H1法話グランプリ」が6月2日、兵庫県神戸市の須磨寺で開催された。ネット販売されたチケット200席分はわずか10分で完売、須磨寺寺務所での販売分200席分も2日で売り切れる人気で、当日は午後1時開演にも関わらず、午前8時から行列ができるほどだった。

同種の催しは2017年2月に栃木県の真言宗豊山派仏教青年会が研修の成果発表として開いたのが最初で、昨年11月には兵庫県の高野山真言宗青年教師会の主催でも行われた。

今回は前2回と異なり、宗派を超えた僧侶の参加で注目を集めることになった。参戦したのは真言宗、浄土真宗、日蓮宗、天台宗、臨済宗、曹洞宗、浄土宗の若手僧侶たち7組8人。発起人で実行委員長を務めた須磨寺副住職の小池陽人(32歳)氏は、開催の趣旨をこう語る。

実行委員長を務めた須磨寺副住職の小池陽人氏 ©野沢敬次

「『H1グランプリ』という名前は浮ついているとか、法話はすべからく尊いものだから他宗と競う場に出るのはよろしくない、などのご批判もありました。一般の方からではなく、仏教の伝統と権威を重んじてきた方々から。

どの宗派が正しい、尊いという宗論は昔からありますが、『どちらが勝っても釈迦の恥』というように、私たちは話術の優劣を競うのではありません。仏教における大切なこと、つまり教えを流布する研鑽の機会だと考えているのです。

 

仏教に、『怨みに報いるに、怨みを持ってしたならば、遂に怨みの止むことはない。怨みを捨ててこそ止む。これは永遠の真理である』との教えがあります。いじめや虐待が話題になる世の中に、こうした仏教の教えによるアプローチで、気づきや癒やしなど、何かできることが必ずあると私たちは信じています。

だからお寺や僧侶は、葬式や法事など仏事専門だけの職業ではありません。お寺に来るのは、死んでからでは遅すぎるのです。生きているうちにぜひお寺やお坊さんを訪ねてほしい。いま生きている人に仏教の知恵がどう寄り添っていけるか、そういう場の1つのきっかけとして、『H1法話グランプリ』を発信することの意味もあると思っています」