田口淳之介はなぜ「土下座」をしたのか、誰に謝っていたのか?

日本社会を覆う「不寛容」の実態
原田 隆之 プロフィール

なぜ土下座をしたのか

彼はなぜ土下座をしたのだろう。

報道では、かつて所属していたジャニーズ事務所を辞めたあと、田口さんは今回一緒に逮捕された女性と芸能事務所を立ち上げ、いわゆる個人事務所で芸能活動をしていたという。

すると、今回の一連の騒動のなかで、彼にきちんとした助言をする「大人」がいなかったことが想像できる。

弁護士がついていても、芸能人のマネジメントまではできないだろうから、本人の振る舞いに任せたのかもしれない。

孤立無援で厳しい非難や断罪に向き合おうとするとき、彼は「どうしても許してほしい」という気持ちから、過剰に反応して、考えつく限り最大限の謝罪をしたのだと思う。

人はとかく不安が先に立つと、冷静な判断ができなくなり、過剰な反応をしてしまうものである。  

もし周囲にマネジメントをしてくれる人がいたならば、客観的に見て、助言をしたり、修正をしたりすることができただろうが、そうした人々がいなかったために、感情に動かされた行動がそのまま出てしまったのだ。

残念なことに、過剰反応は望ましい効果をもたらさない。度を超した反応の背後にある不安や焦りを人々は感じ取り、こちらまで不安な気持ちになる。そして肝心の謝罪が吹き飛んでしまう。

 

誰に謝っていたのか

あのとき、彼はいったい誰に対して頭を下げていたのだろう。

謝罪のなかでは、「このたびは私が起こしました事件で皆様にご心配をおかけし、誠に申し訳ございません。そして日頃より私を応援してくださっていたファンの皆様、関係者の皆様に、多大なるご迷惑をおかけしたことを、心より深くおわび申し上げます」と述べていた。

つまり、ファンや関係者だけでなく、「皆様」に対しても、頭を下げていたということである。

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