6月17日 岡山天文物理観測所がさそり座X-1特定(1966年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1966年のこの日、東京天文台岡山観測所(現・岡山天体物理観測所)が、さそり座にある、X線で輝く星を特定することに成功しました。

この天体は、1962年にアメリカで国防省やNASAからの仕事を委託するAS&E社(American Science & engineering, Inc)が打ち上げたX線観測ロケット「エアロビー(Aerobee)」によって発見されたもので、さそり座の方向にあるX線源ということで、「さそり座X-1」と名づけられていました。

しかし、X線観測ロケットでの観測では、もともと月からのX線放射を観測するための装置だったため、天体の位置を細かく特定するには向いていないものでした。そのため、この時の観測では、さそり座X-1の正確な位置の特定に至りませんでした。岡山観測所では、口径188センチメートルの巨大天体望遠鏡を使って、このX線の放射源である星を特定したのです国立天文台で公開されている当時の新聞記事;https://www.nao.ac.jp/study/oao/pdf/memorial/40_025_1966exstar.pdf

この星は中性子星とよばれる特殊な天体で、太陽と同じくらいの重さでありながら、半径は10キロメートルほどしかない、非常にコンパクトで密度の高い恒星です。表面温度も100万℃以上(太陽は6000℃程度)あり、X線では太陽よりも明るく輝いて見えるそうです。

なお、岡山観測所は、1960年に設置され、「さそり座X-1」の観測に使われた188cm反射式天体望遠鏡のほかに、国産初の大型反射望遠鏡である91cm反射式望遠鏡によって、本格的な観測の舞台となりました。

【写真】岡山観測所全景
【写真】188cm反射式望遠鏡
  国立天文台岡山天体物理観測所全景(上)と188cm反射式望遠鏡 写真提供:国立天文台

その後の天体物理学観測によって多くの業績を残してきましたが、2018年3月31日で国立天文台のプロジェクトとしての役割を終えました。

優秀な観測機材である望遠鏡群は、引き続き国立天文台の管理のもと、大学や研究グループの観測に使われるということです。国立天文台では特設サイトを開き、観測所全史を公開しています。