巨大アパレル企業が「ドーナツ屋」と「ホテル」を始めた本当の理由

ストライプ・石川社長が明かす
マネー現代編集部 プロフィール

「ホテル」を始めたワケ

実際、今春の「earth」のCM「エシカルへ」篇でバングラデシュ・ダッカの工場の製造過程を公開すると、さっそく大きな注目をあびた。大手SPAが製造工場をオープンにすることは、これまで例のなかったことだったからだ。このCMは広瀬すず出演、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した「万引き家族」はじめ社会派映画を撮り続けている是枝裕和監督を起用。いま「earth」のHPには「昨日まで、エシカルなんて知らなかった」と書かれ、そのブランドメッセージが前面に展開されている。

いま「earth」のHPには「昨日まで、エシカルなんて知らなかった」と書かれ、そのブランドメッセージが前面に展開されている

ストライプ社の挑戦はそれだけではない。たとえば冒頭に示したように業態をアパレルだけにかぎらない戦略は拡大しており、同社はホテル「hotel koe tokyo」などを展開。「衣」にとどまらず、「衣」「食」「住」「遊」というライフスタイルを提案する業態へと変化し続けているのだ。

2018年、渋谷区にオープンした「hotel koe tokyo」

利益の3割以上をチャレンジ投資

ストライプ社は「セレクトショップ→SPA」という最初の路線転換を実行して以来、「若者→全世代」、「衣→衣・食・住・遊」、「新品→レンタル」、「SPA→プラットフォーマー」など、数々の路線転換を邁進している。こうした戦略を着実に実行していくことで、ストライプ社は2020年にグループ売上高が1500億円を計画している。

「我が社には営業利益の30%以上を新規事業に充てるというルールがあるので、常に新しいことをチャレンジし続けられる。これからはさらにAI(人工知能)やBI(ビジネスインテリジェンス)への投資も増やさなければならないし、またアマゾン、アリババ、テンセントのようなメガテック企業が進出する東アジアへの投資も急がなければならない。まだまだやるべきアイデアがたくさんありすぎるんです」

 

石川社長はいつも世の中をワクワクさせることを考えて、それを実現してきた。ストライプ社が次に打ち出す「路線転換」はいったいどんなものか。まだまだわれわれをワクワクさせてくれそうだ。