巨大アパレル企業が「ドーナツ屋」と「ホテル」を始めた本当の理由

ストライプ・石川社長が明かす
マネー現代編集部 プロフィール

生き残るための挑戦

「メチャカリ」というサブスクリプションサービスも、そんなテクノロジー化へ舵を切る戦略の中で生まれたサービスのひとつ。月額5800円(税別)で一回に3点まで「earth」など人気ブランドの新品商品をレンタルでき、返却すれば無制限に何度でも借りられるというものだ。

こうした従来にはない新規サービスを始めたことについて、石川社長は「覚悟の決断だった」と語る。

「世界的にアパレル・テック企業が台頭しているいま、我々もこの業態転換を避けて通ることはできません。一方、『STRIPE DEPARTMENT』も『メチャカリ』のビジネスが成功するほど、すでに我が社が抱えている既存の約1500店舗に大きなダメージが出るかもしれないという不安もありました。

 

ところが、いざやってみると面白いデータが出てきた。メチャカリの有料会員は1万3000人ほどいますが、このうちの約7割は当社で一度も買い物をしたことがない人たちだったのです。EC展開やサブスクが、新しいお客さんを開拓していることがわかったのです」

クローゼットのない賃貸アパートが増えるなか、サブスクには可能性があると石川社長は見ているという。

メチャカリはファッションサブスクリプションの分野を開拓

こうしたテクノロジー化と同時に、同社がいま仕掛けているのが「エシカル」への対応である。社会や地域、環境のサスティナビリティ(持続可能性)をより意識するのが「エシカル」という価値観だ。

特に近年、世界の巨大SPAが製造委託する東南アジアなどの工場での劣悪な労働環境が指摘され、アパレル業態の倫理観を問う声が高まっている。こうした中にあって、「エシカルの価値観に対応できない企業は生き残れない」(石川氏)として同社は大きくブランド転換の舵を切り始めているのだ。