巨大アパレル企業が「ドーナツ屋」と「ホテル」を始めた本当の理由

ストライプ・石川社長が明かす
マネー現代編集部 プロフィール

ヒットCMの「舞台裏」

その転換は「earth」のCMの変遷を見ると、よくわかる。

たとえば、宮崎あおいが「ヒマラヤほどの 消しゴムひとつ 楽しいことをたくさんしたい♪」と歌うあのCM。当時から話題になったCMの狙いについて、まず石川氏は次のように明かす。

「当時、earthのブランドの知名度はF1層(20歳から34歳までの女性)で17%ほど。これを50%に引き上げたかったんです。そのとき、広告の打ち出し方を大きく変えようと思って作ったのがあのCMでした。

以前はデザインを斬新に打ち出して、モデルがそれを着る。ファッション誌でそれを見たユーザーに売れていく、というのがアパレルのビジネスモデルの定石でした。しかし、それをやっているだけでは認知度が大きく広がることは望めない。そこで地上波でCMを流すことにしたのですが、じつは真の目的は『ネット』で広げることにありました。当時はちょうど、スマホが普及し始めたタイミング。CMを見た人がネットで検索をして、『earth』にたどり着くように仕掛けを考えたんです。

そのカラクリは次のようなものだ。

実際のCMは宮崎あおいが歌っているだけで、一見すると何のCMなのかわからない。ただし、宮崎あおいがにこやかに歌い上げる様はインパクト十分。これを視聴者がネットで「宮崎あおい・うたう」で検索すれば「earth」のECサイトやホームページにたどり着く――。

 

これが見事に当たって、「earth」の知名度は急上昇したのだ。

しかし、そんな大成功したCMさえあっさり路線転換させてしまうところにストライプ社の凄みがある。