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中国政府が懸念する「次のチャイナショックは防げないかも…」問題

外貨準備3兆ドルでも盤石にあらず
唐鎌 大輔 プロフィール

「次」のチャイナショック

いざとなっても力業で押え込めるという余裕があれば、攻防戦の行方に注目する必要はない。中国政府は2015年8月、制御不能な資本流出とこれに伴う人民元(や元建て資産)の下落、そしてこれを発端とする国際金融市場の混乱(いわゆるチャイナショック)を経験した。

〔photo〕gettyimages

この再来を防止したいというのが中国政府の最大の意向との理解は多い。それは自国を震源地とする国際金融市場の混乱が「恥」だという面も当然あろうが、次は確実に防ぎ切れる確信がないという論点が意識されているのだと思われる。それは即ち、人民元が下落した時に歯止めをかける弾薬である外貨準備の残高に不安を抱えるという実情があるという話でもある。

 

2019年4月末時点で中国の外貨準備は約3兆ドル存在する。伝統的に外貨準備の適正水準の尺度(rule of thumb)としては「輸入3か月分」や「短期債務」、「マネーサプライの20%」などが用いられ、これを上回ることが1つの目安となってきた。こうした基準に照らせば、現状の3兆ドルという水準には安心感もあるが、異なる見方もある。

以下の図表は中国の外貨準備、短期債務、輸入3か月分、広義流動性の20%について対名目GDP比で単位を揃え、その推移を見たものである。

一瞥して分かるように、大きく目減りした現状の外貨準備水準であっても「輸入3か月分」や「短期債務」という尺度は十二分にクリアしている。しかしながら、マネーサプライ(ここでは広義流動性)に照らすと不安が浮き彫りになる状況だ。