まさかとは思うが「ソフトバンク・ショック」はありえるのか?

ITバブル崩壊前夜と似てきた
大原 浩 プロフィール

ITバブル崩壊前夜と同じ状況

筆者は、日本は素晴らしい国だと思っているが、過去株価に対していつも強気であったわけではない。例えば、1990年のバブル崩壊の直後に「日経平均8000円説」を唱えて周囲から馬鹿にされたが、20年近くの歳月を経て現実のものとなった。

ちなみに、当時を知らない読者のために申し上げれば、バブルの高値は4万円近くであり、崩壊した後も2万円の底値はなかなか割れなかった。

筆者の強気派への転向は2008年に、日経平均が8000円を割って、長期的にチャート(テクニカル)用語でいう「ダブルボトム=2番底」を形成してからである。

 

それ以来、某会合で毎回のように「ブル(強気)・ベア(弱気)」対決をしている友人がいる。

ベア(弱気派)のK氏は、自ら主宰する独立系のファンドで多数の企業を上場させた敏腕ベンチャーキャピタリストだが、先日珍しく意見が一致した。

「Kさん、ソフトバンクかなりやばくないですか? 何かあったら、株式市場全体に影響が出ると思うのですが……」

「僕もそう思って、空売りしたんです。珍しく意見が一致したね!」

これまでも述べたように、筆者自身はカラ売りをしないので、もしかしたらとんでもないチャンスを見逃しているのかもしれないが、続けてこんな話もしてくれた。

「米国IPOの総額がこの2年で2000億ドルを超えたんだよね。ITバブルが崩壊した2000年の2年前からの状況とまったく同じなのが不気味だね……」

ソフトバンクの10兆円規模のハイテク投資ファンド(ビジョンファンド)は、2大出資者がサウジアラビアとアブダビの政府系ファンドだが、そのうちサウジアラビアは、カショギ氏のサウジアラビア大使館での暗殺で国際的非難を浴び、先進自由主義諸国から厳しい目で見られている。

また、投資先のハイテク分野に関しても、K氏の述べるように、めぼしい企業はほぼすべて上場あるいは上場準備に入り、次に成長する「期待の星」が見つからないのは事実である。

もっとも、ソフトバンクは運営手数料などでがっぽり儲けるから、投資先が不振で出資者が大損してもかまわないのかもしれないが……。