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実はにぎやかな深海、さらに海底の下1000mの世界

地球と巨大地震の謎を解く鍵

深海と生物、地球、人類との関わりをわかりやすくした解説したブルーバックス『深海——極限の世界』。そのなかでもみんなが気になるであろう、深海と地球との関係、特に巨大地震の関連について特別に抜粋紹介します!

深海研究が拓く、生命、地球、深海研究の課題についてまとめた
「あなたの知らない深海の世界──海底のさらに下にも地下生命圏が!」はこちらです

静かな世界というイメージ? 深海は動いている

「深海」と聞くと、未来永劫、その世界が続いていくかのような、どこか「静謐」な場所を想像するかもしれません。

でも、「深海」はけっしてそんな世界ではないのです。「深海」の底にはたくさんの見たこともないような生物が生きているし、数百度にも達するような熱水が噴き出しているところもあります。

そのうえ、このような実際に目で見ることができる(そこまで行くのは大変ですが)生物や現象だけではなく、我々の時間では見えないような現象が進行しているのです。

「深海」の底は〈海洋底〉と呼ばれています。〈海洋底〉の探索は、1950年代ぐらいから始まりました。そして、それまで「静」的であると思われていた〈海洋底〉が実は「動」的であるとわかってきたのです。

〈海洋底〉は常に動いています。地球内部の物質が中央海嶺で海底にもたらされて海洋プレートをつくり、最終的には海溝から地球の内部に再び戻っていくというプレートテクトニクスと呼ばれる現象です。現在、私たちが見ている大陸もかつては違う位置にあったし、未来もまた今と違う配置になるのです。 

深海——極限の世界』 では、〈海洋底〉そしてそれよりさらに深く潜った「海底下」から地球をみることで、そういった地球のいとなみについて解説しています。

「海底下」は、目には見えないスピードで動いています。「それはどのようにしてわかったのか」「動いている〈海洋底〉の行き先はどこなのか」など、これまでの研究でわかったことから、最新の研究からみた〈海洋底〉までがわかります。

通常は人間の目には見えない〈海洋底〉のいとなみの中でも、私たちにも見える動きがあります。それは、地震やそれによって引き起こされる津波です。

そして、地震や津波は、海洋底の普段の動きから考えると、非常に短い時間で起こり、そして我々の生活に大きな影響を与えます。