5つの要素の「新しい発見」がアイデア
起業アイデアはなぜこの5つの要素なのかというと、この5つの要素の新しい発見が全て起業につながるアイデアと言えるからです。

「誰の(顧客)」の発見は、既存の商品・サービスを利用する顧客を新しく見つけることです。例えば、海外で展開されていた民泊を日本という新しい顧客向けに展開する、などです。
「何を(課題)」の発見は、新しい悩みや欲求を見つけることです。例えば、メルカリで離婚届が300円で売買されているのは、まさに課題の発見になります。離婚届という解決策は無料のものですが、離婚届を役所に取りに行きたくない、という課題を発見したことでビジネスになっています。
「何で(解決策)」の発見は、新しい商品やサービスをつくることです。例えば、ドローンを開発した、QRコードを使った電子決済の仕組みを構築した、などです。
「どのように(提供方法)」の発見は、商品・サービスを提供する方法を見つけることです。例えば、アナログで行われていたサービスをデジタル化させる、対面で販売していたのをネットで販売する、などです。
「誰から(収益化)」の発見は、お金の受け取り方を変えることです。例えば、高齢者の見守りサービスの端末を、利用する高齢者自身にお金を払ってもらうのではなく、高齢者の家族に払ってもらうようにするのも、新しい収益化の方法です。また、端末を一括の売り切りにするのではなく、月額払いにするのも同様です。
このように、この5つの要素の新しい発見が、新しい起業アイデアになります。
質の良いアイデアのつくり方
では、簡単に質の良いアイデアをつくる方法を紹介します。
はじめに、質の良いアイデアとは、現段階で存在していない、独自性のある商品・サービスになります。つまり、既存の商品・サービスに対して違いを明確にすることが必要です。
ですので、質の良いアイデアをつくるには、競合の商品・サービス(コンペティター)から違いを作る(シフトする)ことです。私はこれを「コンペティターシフト発想法(起業アイデア3.0)」と名付けています。なお、コンペティターシフトは私の造語になります。
つまり、競合の商品・サービスを5つの要素に分解して、その要素のいずれか1つ以上を変化させれば良いのです。