# ブロックチェーン # 仮想通貨

伊藤忠商事を辞めた2人が「ブロックチェーン」で起こす貿易革命

「商社時代の課題」を解決する新サービス
マネー現代編集部 プロフィール

(2)送金スピードが遅い
銀行決済は、送金スピードが遅いこともネックだ。

例えば、ナイジェリアから日本に現金送金しようと思うと、着金までに数日~数週間かかってしまう。着金までの期間、ビジネスが動かなくなるし、その着金の遅さからビジネスが成立しないで競合他社に取られてしまうということもある。送金スピードの遅さはビジネスの成立に関わる死活問題になってくる。

 

(3)売掛金未回収のリスクがある
ちなみに、「商品が届いてから30日後に現金を払います」という決済方法が通用するのは、信用力の高い大企業だけ。

貿易取引でまだお互い信頼関係ができていない企業同士が取引する場合は、L/Cと呼ばれる銀行が発行する【代金の支払いを確約した保証】を使うことを輸出企業から要求される。万が一、輸入企業が潰れたとしても、貿易取引で発生する代金支払いを銀行が保証してくれるシステムだ。

ただ、銀行がそのリスクを負うわけだから、社会的に信用力のある大手企業にしかL/Cは発行してもらえないのが実情だ。ベンチャー企業や中小企業には発行してもらえない。L/Cが発行できないので取引できないというケースも多々ある。

「例えばペットボトル飲料を海外に送るとき、日本から現地で通関が終わるまで1ヵ月以上のタイムラグが生じます。そうするとその間に、支払いをどうするかという問題が出てくるんです。売り手からすれば、先にお金をもらった上で出荷をしたい。でも買い手からすれば、モノも見ていないのにどうしてお金を払うんだという話になる。

ただし買い手としても、自分はちゃんとお金を持っているということを相手に示せないと取引はなかなか前に進みません。そこで売り手と買い手がお互いに納得できるエスクローサービスが必要になるんです」

と大森さん。確かにまだ送金はされなくても、銀行など信頼できる第三者に買い手が一旦お金を預けて、「ちゃんと入金されたね」と売り手が確認できれば安心感はまったく違う。

「ただ、海外送金に関して純粋なエスクローサービスは銀行としてほとんど提供していないので、基本はL/C取引を行うことになる。じゃあ、僕らのようにL/Cを開けない小さい会社はどうするか。交渉のたびに『先にお金を送ってくれ、そうじゃないと品物は渡せない』、あるいは「今回は先にものを出すけど、絶対にお金を払ってね」といったやり取りを繰り返すしかありませんでした。リスクを自分たちでとるしかないんです」

(4)国際送金にまつわる実務が煩雑
国際送金にまつわる実務が煩雑ということも、貿易の障壁を上げている。「逆に言えば、そこが不便だから商社が重宝されてきたともいえる」と足立さんは話す。

「例えば国内のメーカーが貿易をして国際決済をするとき、ノウハウを持っているところは多くありません。万が一、途中でお金が届かなかったりしたら自分たちでは対処しかねる。だったら、マージンを払ってもいいから国際取引は商社に一任したいといった話はよくあります。メーカーにとってはその方が楽なので、そこに商社の存在意義もありました」

つまり現在の貿易の仕組みは、体力のない信用度も低い中小企業にとっては、極めて使いづらいシステムといえる。商社などの存在によって、個別には最適化されていたけれど、全体としての不便さは今もまったく変わらないままだ。

この状況をなんとかしたい。そこでスタンデージが開発したのが、SHCだった。