# ブロックチェーン # 仮想通貨

伊藤忠商事を辞めた2人が「ブロックチェーン」で起こす貿易革命

「商社時代の課題」を解決する新サービス
マネー現代編集部 プロフィール

国際送金にまつわる4つの課題

SHCについて詳しくは後述するが、その前に同サービスを開発するに至った背景について触れておきたい。

「もともと商社で貿易をやっていたとき、国際送金がすごく不便だなという課題感がありました」と話す大森さん。具体的には、

(1)送金手数料が高い
(2)送金スピードが遅い
(3)売掛金未回収のリスクがある
(4)国際送金にまつわる実務が煩雑

という4つの課題があるという。

 

(1)送金手数料が高い
貿易をして日本から海外へ送金するとき、まずネックになるのが手数料の高さだ。銀行決済だと、通常8%以上の手数料がかかる。それに日本の銀行から直で目的の銀行には行き着かないから、コルレス銀行といって中継銀行をいくつか経由する必要がある(下図は参考)。

すると当然ながら、中間手数料が掛かる。しかも新興国になればなるほど、コルレス銀行は増えるのが一般的だ。そうなると、中間手数料はうなぎ上り。どんどん持っていかれてしまう。振り込みを繰り返しているようなイメージだ。

「数十億、数百億といった取引をする大企業であれば、銀行決済でまったく問題ありません。でも、1回の取引額がそれほど大きくない中小企業にとってみれば、これはかなりキツイんです。取引金額を上げないと採算が合わなくなるから、商売の規模感が合わない。じゃあもうやめようか、という話がたくさん出てくるわけです」

特に少額取引の場合、安価に安全に送金できるインフラがないがゆえに、貿易できないケースは多いという。

「これは実際にあった話ですが、このあいだヤオキンの『うまい棒』をナイジェリアの展示会に持っていったら、すごく好評だったんです。実際に買いたいという声も掛かった。アフリカのGDPは、今やタイと同じくらいなので、値段も日本で販売するのとほぼ変わりません。むしろ関税の関係で1本30円ほどに高くなってしまうのですが、それでも買うよというわけです。

ただ、一つのコンテナに『うまい棒』を詰め込んでも、かさばるので量は運べません。1コンテナあたりの取引金額は大したことないんです。利益は30万円から40万円ほど。輸送費が30万円掛かるとして、従来の手数料で支払いをしていたらシャレにならないですよね」

と足立さん。少額取引の場合、「送った方が損をする」という世界観がこれまでは一般的だったようだ。