# 仮想通貨 # ブロックチェーン

伊藤忠商事を辞めた2人が「ブロックチェーン」で起こす貿易革命

「商社時代の課題」を解決する新サービス

商社マン×ビットコイン×アフリカ。このキーワードの組み合わせを見て、あなたは一体どんなビジネスを想像するだろうか?

株式会社スタンデージは、伊藤忠商事出身の2人が創業、ビットコインなどの仮想通貨(=暗号資産、本稿では便宜的に「仮想通貨」で統一)を使った海外への送金サービスを開発している。今年4月にはナイジェリアでの実証実験も行なった。

ビットコインに魅せられた2人の商社マンが、ブロックチェーンで「貿易」と「物流」に起こそうとしている静かな革命。その一連の経緯と、これからの野望に迫る。

取材・文/黒川なお、撮影/白井智

ビットコインに魅せられた2人の商社マン

「お前、バカ言ってるんじゃないよ!」

2016年末、2人の青年がビットコインで新たにビジネスを始めようと伊藤忠商事を辞めるとき、かつての上司は驚いてこう言った。

無理もない。投機を目的にビットコインの知名度が上がると、それに便乗して詐欺のような怪しい話もいろいろと出回ったのだから。けれども2人は、意に介さなかった。なぜなら、仮想通貨を初めて使ったときに「これは便利だ!」と感激した体験が揺らぐことはなかったから。

「インターネットが出てきたときの雰囲気にすごく似てるんです。インターネットが出てきたときのキラーコンテンツは、Eメール。情報のやり取りはそれまで紙でしていたのに、ネットワーク上でできるなんて本当に革命的でした。

一方で、ブロックチェーンのキラーコンテンツは、仮想通貨と言われています。ブロックチェーンもインターネット上のネットワークですが、お金の価値をネットワーク上でやりとりできる世界初めての技術です。しかも、ビットコインやイーサリアムという仮想通貨は、世界中の人々がその価値を認めている。ものすごく革命的なことだと思います」

そう話すのは、2017年3月に株式会社スタンデージを設立した代表取締役の足立彰紀さんだ。
*以下、足立さんの発言は青字で記す

写真左が株式会社スタンデージ取締役兼副社長大森健太さん、右が代表取締役兼CEOの足立彰紀さん

「例えばビットコインが送れなくなったとか、ブロックチェーンの改ざんが自由にできるようになったとか、そういうことならマズいです。でも、ビットコイン自体が怪しくて問題が起きたわけじゃない。色々と問題が起きたのは、結局それを取り扱っている人や取引所などによるものでした。

それに、2018年に起きた相場の大下落で、『仮想通貨は儲かる』と流行で参入してきた人たちはことごとく手を引いてしまいました。むしろ、仮想通貨の価値を本当に信じてやっている人たちだけが残ったから、よかったんじゃないかな」

こう話すのは、足立さんと一緒に会社を立ち上げた大森健太さん。足立さんは伊藤忠時代の先輩にあたる。
*以下、大森さんの発言は緑字で記す

 

それぞれ大学、大学院とも名門の理系を卒業した後、伊藤忠商事に入った2人が出会ったのは、入社から6年後。出向先の伊藤忠ケミカルフロンティアだった。

「実は僕たち、初めは全然親しくなかったんです。性格が真逆なんですよ。大森はみんなでワイワイ遊ぶのが好きだけど、僕は淡々と1人で何かを追求するのが好き。だから2人とも、一緒に飲みに行ったりすることはほとんどありませんでした」

と足立さん。ただ、共通点が一つだけあった。それは2人とも投資が好きだったことだ。しかも2人とも、いずれは起業したいと考えていた。そんなときにたまたま出会ったのが、投資対象で見ていたビットコインだった。