視聴率20%超!広瀬すず『なつぞら』が「時代風景を描かない」意味

これは新しい朝ドラだ
堀井 憲一郎 プロフィール

「明るく夢に向かう」世界観

主人公は、下宿先のもとダンサー(山口智子)の衣装を借りて毎日とても派手でおしゃれな格好で出勤している。昭和31年当時だとかなり顰蹙を買っただろうということは容易に想像できるし、第10週ではそれがひとつのテーマにもなっていた。

今回のヒロインは見た目は貧乏ではない。給料は少ないからかなり貧乏なはずなのだけれど、そこは描かれていない。「パン1つとミルクだけの昼食」に少し垣間見えるが、当人もまわりもそれはまったく気にしていない。

「夢を与える仕事(アニメーター)」を目指している彼女に、わかりやすい昭和的な苦労は滲ませない。そういう決意があるように見える。

 

歴代のヒロインが次々と脇役として登場してきて、とても豪華絢爛、だからこそドラマの内容も「夢を与えるもの」に徹しようとしているのだろう。

とりあえず今期だけかもしれないが(たぶんそうだとおもう)朝ドラは「時代背景を色濃く主張する」という路線を脱している。明るく前を向いて、夢に向かう、という世界を提供してくれているのだ。広瀬すずと、その空気はとても合ってるとおもう。楽しみである。