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投資の神様・バフェットがじつは大切にしている「ある賭博師の理論」

ギャンブルも投資も同じ

投資に難しい方程式は必要無いが確率は不可欠である

筆者が大学を卒業しディーリングの世界に飛び込んだ頃は、いわゆるバブルの前夜で東京金融市場は活気にあふれていた。

活気にあふれていたといっても、”●●CK”などの4文字熟語が飛び交う野蛮な場所でもあった。同僚の日本人が、当時英国から助っ人でやってきていた英国人のトレーダーが1日に”●●CK”を何回いうのか数えたことがあったが、午前中に100回を超えたところでギブアップした。

金融市場というと少し高尚な感じがするが、実際の市場はカジノというよりも賭場に近い雰囲気であった。筆者自身は経験したことは無いが、そろばん(当時はまだそろばんを使う人がいた……)や灰皿を投げつけられるようなこともしばしばあったようだ。

実際、上司や同僚は、東京金融市場を「世界最大級のカジノ」だと言っていたくらいだ。

もちろん、筆者がしばしばコメントする「バフェット流」においては、鉄火場のような市場はほとんど関係が無いのだが、ギャンブルの中にも投資家が学ぶべきものがある。

その核心部分が「確率」である。

足し算・引き算・掛け算・割り算ができれば、投資で成功できるとバフェットは述べるが、「確率」の概念の理解は必要である。

 

確率論はギャンブラーが体系化した

そして、この確率の概念を体系化したのがイタリア人の賭博師かつ数学者のジェロラモ・カルダーノ(1501~1576年)である。

カルダーノが賭博師として大成功したのは、当時誰も知らなかった「確率」を熟知していたからである。

例えば、酒場にふらりと立ち寄り、そこにたむろしている酔っぱらいにコイントスを使ったギャンブルを持ちかける。2枚のコインを使い、「表表」、「裏裏」、「表裏」のどれか1つにかけるのである。

ピンと来た読者もいるかと思うが、実はこのギャンブルは、本来「表表」、「裏裏」、「表裏」そして、「裏表」にかけるべきで、それぞれの確率は25%ずつである。

だから、カルダーノが提案したギャンブルの「表裏」は、実は「表裏=25%」+「裏表=25%」=50%もの高い確率で生じる。

もちろん、あまり不自然だと相手に気づかれるから、適度に分散させる必要はあるが、50%の確率で出てくる「表裏」に重点的に賭ければ必ず勝てる。

「確率」を知っているのと知らないのとでは天と地ほどの差が出るのである。