東京大学大学院で食品化学の観点から香辛料を研究しているスパイス研究家の印度カリー子さん。NHK「沼にハマって聞いてみた」の出演や、レシピ本『私でもスパイスカレー作れました!』を上梓するなど、いま注目を集める料理研究家のひとりです。

「姉と一緒にご飯を食べたい」と思ったことをきっかけにスパイスカレーにハマり、その結果、ダイエットに成功したといいます。数々のダイエット失敗経験をもつ印度カリー子さんはなぜ「スパイスカレー」でダイエットに成功したのか? その謎を解き明かします。

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スパイスカレーで7キロ痩せた

「スパイスから作るカレー生活を始めてから1年で7kgのダイエットに成功しました」

こう人に話すと、ほとんどの人が「スパイスの効果なの!?」と聞いてきます。確かに唐辛子は脂肪燃焼を促したり、シナモンは末梢組織への血流量を増加させたりする効能を持っています。しかし、スパイスカレーでダイエットに成功した理由は、単にそういったスパイスの効能ではなく、「ダイエットで一番大切なこと」をスパイスカレーが満たしていたからです。

それがなんなのか、私の実体験からお伝えしようと思います。

大学1年生の冬まで、私は太っていました。美味しいものをたくさん作る専業主婦の母親、食べるのが大好きな父親に育てられ、幼いころからずっとぽっちゃり体型でした。

朝はやまもりのご飯と味噌汁にたくさんのおかず、そのうえバナナ牛乳を飲んで学校へ。小学校の給食は一度として残したことがなく、「おかわりジャンケン」には男子がたくさん群がるなか、唯一の女子で参加する毎日。

中学・高校ではお弁当箱にご飯が押しつぶされて平らになるくらいまでぎゅうぎゅうに詰めてもらい、隣の席の男子には「食い意地はりすぎ」とドン引きされる日々。

夜は大好きな肉をやまもりご飯で食べて、食後にはデザートや果物を食べて。市販品の1人前は、「どんな小人が食べているのだろうか?」と、その量に全く満足できず、ほぼ2人前を必ず食べる生活。食べることがとにかく大好きな私は、横に大きく育ちました。

スパイスカレーでスッキリと健康的に痩せた印度カリー子。太っていたころがウソのようです

そんな私でしたが、運動が得意な両親のおかげでスポーツが大好きでした。特に足が速く、小中高とリレーの代表選手に選ばれたり、陸上選手として県大会に行ったりしていました。

しかし一方で、身体のほうは自分の体重に耐えられなかったのでしょう。ひざが痛み、骨盤は歪んで、さらには足のむくみがひどくて小学生のころから立っていられないまでに悪化し、それが原因で大好きだったダンスをやめて、病院に通ったこともありました。

9年間ずっと失敗し続けたダイエット

「少し痩せたほうがいいかな…」という気持ちはそんななかで芽生えました。

はじめてのダイエットは小学4年生のころ。学校の男子に「よく食べる奴だ。食いしん坊だ」とからかわれたこと、そして3歳年上の姉のほうが、はるかに身長が高いのに、体重があまり変わらないことを知ってショックを受けたことがきっかけです。

当時は流行っていた「レコーディングダイエット」に挑戦してみたのですが、幼き私に食事を省みる能力などなく、食べたいものを食べたいだけ食べて、ひたすら記録するだけになってしまい、結局まったく痩せることなく失敗に終わりました。

中学生になって再びダイエットを試みるのですが、このころは食欲が真っ盛り。当然食の誘惑に勝てるはずもなく一度も痩せることはありませんでした。食べても食べてもお腹がすく気がして、学校帰りに買い食いするたびに先生に見つかって怒られ、校外学習でおやつを持っていて怒られて……。