このチャンスを見事に生かしている企業を分析すると、3つの共通キーワードが浮かんできます。
「デザイン」「独自性」、そして「ストーリー」です。
日本的なデザインセンスは世界中から絶賛されています。特に、エコを意識したグリーンなスマートデザインは、いまや世界共通のトレンドです。エコの要素をどこかに取り入れることによって、日本企業は万国共通の意識に通じることができるのです。
そして重要なポイントは、そのスマートさが、どこへ行っても手に入らない日本だけのオンリーワンの独自のものであることです。
オーガニックな素材を用い、生産過程にとことんこだわり、手間ひまをかけてつくられたMade in Japanのプロダクトや農産物などは、ほかの国のものよりも価格は高いかもしれません。
しかし、そのものづくりにかける想いやストーリーをどれだけ伝えられるかが、宣伝するときの重要なポイントとなります。
商品の独自性の「理由」を言葉にし、さらに英語にして海外の人へ伝えることが、価値の裏づけとなり、世界中の本物志向の顧客の納得につながるのです。
国際化で何かを失うとか、大切なものが薄まるといった心配はすでに過去の悩みです。
国際化が進んだ日本がアイデンティティーを自覚し、世界中の人々に日本の誇れるところを伝える絶好のチャンスです。
相手から異なる文化や習慣を学び、受け入れること。そして、相手に自分たち日本の文化、習慣を受け入れてもらうこと。この両面を意識して実践することができれば、日本はよりいっそう、深みのあるゆたかな魅力ある国として、世界に存在をアピールできるに違いありません。