2019.06.18
# 日本人論

外国人の私がリクルートで学んだ「日本式」営業テクニック

このスタイルこそ「世界標準」に
ルース・マリー・ジャーマン プロフィール

この人は私の話に耳を傾けてくれる、私の会社に興味をもってくれている……そういう意識が、信頼につながり、たんなる取引先ではなく、パートナーだと思ってもらえるようになるのです。

日本のビジネススタイルは、一見地味に感じます。積極的に自己アピールし、ダイレクトな交渉で仕事を獲得するようなスタイルからすると、目立ちません。

だから、海外で「私たちのほうが圧倒的にすぐれていますよ。値段も10%安くしますよ!」などという押しの強い営業をする企業を見ると、同じようにやらないと負けてしまうのでは、と不安になるかもしれません。

でも、じつは、相手の立場に立って話を聞き、信頼を獲得したうえで、相手のニーズに合う提案をする日本流の営業手法は、戦略としてとてもすぐれているのです。

 

日本の営業を「世界標準」に

日本人が、ビジネスのうえで相手との信頼関係を重んじるのは、ものごとを短期的にとらえていない証拠でしょう。信頼の置けるビジネスパートナーとして、長期的に取引をしていきたい、それがお互いのメリットになるのだから、という意図があるように感じます。

Photo by iStock

しかし、外国にはそうではない企業が多く、長期的なパートナーシップを築くというより、仕事は獲ったもの勝ちという競争意識が強いのです。

だから、依頼内容を深く考えず、とりあえず「できます」「安くなります」「早くできます」などと言って、仕事を獲ってくる。それができるかどうかは後から考えればいい、という発想です。

でも、たとえ仕事は受注できても、相手の満足いく仕上がりにならず、自社の評価を下げることになってしまったら、継続的な営業活動はできません。長期的に見て、そういうスタイルの企業がうまくいきつづけるとは思えないのです。

こうした視点からも、時間をかけて信頼関係をつくり、それを壊さないように慎重にビジネスを積み重ね、ベストを尽くす日本企業のやり方は、ビジネスの原点ともいえる、「best practice(最善の方法)」なのです。

他国の経営者のなかには、「日本企業の奥ゆかしいやり方こそが、じつはベストファーストステップだ」と認識し、その手法に学ぼうという企業もあります。

私も、これまでの経験から、日本の営業スタイルを世界の標準にすべきだと思っています。

ですから、日本のみなさんには、自信をもって、どこへ行ってもそのやり方を貫いてほしいのです。

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