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# 日本人論

外国人の私がリクルートで学んだ「日本式」営業テクニック

このスタイルこそ「世界標準」に
日本在住30年。リクルート社を経て、現在は経営者として活躍する米国人女性、ルース・マリー・ジャーマン氏。著書『日本人がいつまでも誇りにしたい39のこと』は、日本が大好きな外国人だからこそわかる、日本人の精神、美意識、強さの秘密がつまった一冊だ。押しが弱い、集団主義、自分の意見がないなど、あまりよい評判を聞かない日本のビジネスマン。しかし彼女は、日本の営業は世界一と評価する。どんな点が優れているのか、解説してもらった。

日本と海外、これだけ違う

私は営業の仕事がとても好きです。お客さまの企業を訪ね、仕事を獲得することが主な業務ですが、そのときに外国企業の営業場面を見る機会に恵まれることがよくあります。そしてここでも、日本のやり方との違いに驚きました。

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諸外国の一般的なセールス方法は、自己アピールから入ります。

ひととおり挨拶を終えたら、自社の商品資料を見せながら、いかにその商品が他社と比較してすぐれているか、お客さまにとってどれくらいメリットがあるかをアピールします。はじめから「この商品が必ず御社の役に立つ」と、主張するのです。

そして、最終的に「だから買ってください!」と相手を説得し、商談を成立させようとします。

 

ところが、日本人はまったく正反対のアプローチをします。

日本人は自分や、自社を売り込んだりせず、まず、相手の情報収集をしようとします。つまり、アピールから入るのではなく、ヒアリングから入るのです。

相手はどんな会社なのか、どれくらいの規模で、何人ぐらい働いているか、どんな理念をもち、何を目指しているか。主力商品はどんなもので、どういう顧客がいるか……。そういったことを、はじめて訪問したときに、相手から聞き出そうとします。

これは、外国人にとっては理解しにくいスタイルです。はじめは「え、どういうことなんだろう? これでは商品のことをわかってもらえないし、売れるはずがない」と疑問に思っていました。

私はリクルートで働いていた時代、トップ営業マンといわれるようなあるスペシャリストの先輩から、この日本式の営業テクニックを教えてもらいました。

先輩いわく、とにかく相手の話を聞いて、自分たちの商品のアピールをいっさいしないことだ、と言うのです。

ひたすら相手の話を聞いているだけです。しかし、そうしているうちに、何が生まれるか。しばらくして、ようやくそれがわかりました。

次第に相手のなかに「信頼」が芽生え、相手がわれわれの会社や、商品について興味津々で聞きたがるようになるのです。