結婚や離婚の取材を長年続けているライターの上條まゆみさん。「子どもがいる」ことで離婚に踏み切れなかったり、つらさを抱えていたりする人の多さに直面し、そこからどうやったら光が見えるのかを探るために、具体的な例をルポしていく。

インターネットのゲームサイトなど、共通の趣味で知り合い、結婚することも珍しくはないだろう。広沢和恵さん(仮名・38歳)は32歳のときに元夫とゲームサイトで出会った。チャットだけで意気投合して盛り上がり、出会ってすぐに結婚したのだ。
離婚して2年、今とても幸せだという広沢さんの「気づき」とは何だったのか。

32歳、知り合って半年で入籍

広沢和恵さん(仮名・38歳)は、6歳の一人息子を育てるシングルマザーだ。離婚をしたのは2年前、和恵さんから切り出して、約5年の結婚生活を終わらせた。

元夫は8歳年下で、和恵さんが32歳、元夫が24歳のときに結婚した。出会いは、インターネットのゲームサイトだ。チャットルームで、人生に悩む彼の相談にのっているうちに意気投合。東京と大阪の遠距離だったが、直に顔も合わせないうちから「結婚しよう!」と盛り上がり、会話を始めて1ヵ月後には結婚を前提に彼が上京。あっという間に子どもができて、知り合って半年後に籍を入れた。

ゲームサイトのチャットルームで知り合い、会話を初めて1カ月後には付き合い始めた  

「当時、お互いに無職で、人生うまくいっていない者同士でした。結婚すれば何かが変わると、結婚に解決策を見いだしてしまったんだと思います」

和恵さんは大学卒業後、しばらくフリーターをしたのちに翻訳を学ぶため専門学校へ。その後、イギリスへの留学も経験したが、翻訳で食べていく自信もない。そんな空白の時期だった。元夫は高校を中退し、仕事に就いてはやめ就いてはやめで、ふらふらしていた。

「年齢差もあり、学歴や家庭環境などのバックボーンもまったく違う相手との結婚には、より慎重になるべきだったんですが…。要は、結婚がしたかったんですよね。結婚するのがあたりまえだと思っていたので、32歳という年齢に焦りもあり、よく考えずに結婚しちゃいました」

結婚直前、借金が続々と発覚

よく考えずにした結婚。――そんな結婚がうまくいくはずもない。

入籍直前に300万円の借金が発覚。和恵さんの貯金から全額返し、これで片づいたかと思ったら、1週間後に「実は……」と、さらに300万円の借金があることを打ち明けられた。「好きなものが買える魔法のカード=クレジットカード」でつくった借金だった。