少数民族ピグミーの少年と村長が教えてくれた「これだけのこと」

泥水、死んだ小鹿、悲しい歌声…
春間 豪太郎 プロフィール

ピグミー族の葬式

その家の周りにはたくさんの人がいて、その歌を歌い続けていた。家の周りの人たちは特に熱心に歌っていたようで、皆声が枯れていた。それでもなお歌い続けていた。何人かは涙を流している。

この儀式はもしかして……と思いながら村長の後に続き家へ入ると、家の広間に一人の男が横たわっていた。

男は目を開けず、微動もせずに静かに横たわっていて、それを囲む人々が号泣しながら歌を歌い続けていた。

歌っていること以外には何か儀式めいたやり取りや動作などは一切見られなかったが、間違いない。やはりこれは、ピグミー族の葬式だ。

 

ピグミー族の死生観がどういったものか、語学力の限界があり正確には分からなかったが、少なくとも泣きながら悲痛な歌を叫ぶ人々の気持ちは痛いほどわかった。

その後明け方になり、日が昇ってもまだ歌は続いていたが、おれと村長はンジャンゲへと帰ることになった。

その後聞いた話によると、彼は火葬されたそうだ。

つづきはこちら:電気も水道もない世界で生きる少年が描く「切実な夢」