少数民族ピグミーの少年と村長が教えてくれた「これだけのこと」

泥水、死んだ小鹿、悲しい歌声…
春間 豪太郎 プロフィール

肉を噛んだ瞬間……

しかし、その1週間後。夕食に大きな肉の塊が出てきたことがあった。

あれ以来狩りはやっていないはずだし、肉を買う余裕はないだろうにどうしたんだろうか。

不思議に思いながらもこの前と同じように肉にがっつく……が、噛んだ瞬間、ぷちぷちという数の子のような食感と共にこれまで感じたことが無いほどに凄まじい寒気がした。

どうすればここまでになるのか分からないくらい腐っている……!

 

おれは、いざという時に食べられる物を見分けたり、自分の限界を少しでも正確に知ったりするために、普段から腐ったものを積極的に食べるようにはしていたが、ここまで腐敗した肉は初めてだ。

どうしてこんなに腐った肉があるのか……と考えたが、思い当たることは一つしかなかった。

そう、これ肉は、一週間前におれが買った肉を高温多湿の屋外で放置することで出来上がったものだった。

当然ながら蛆虫はたくさん沸いているだろうし、それらによってこのぷちぷちという食感が出ているのかもしれない。

しかしそんなおれをよそに、ジャンゴ含めンジャンゲの人々は何も気にせずに美味しそうに肉を食べている。食べ慣れているから気にならないのだろう。

全く食べないのも失礼な話なので、ギリギリ腹を壊さない程度に何口か食べ、満腹だと言って退散することにした。