衝撃…中国で子供を狙った「無差別殺傷事件」が頻発していた

貧富格差が騒乱につながって…
北村 豊 プロフィール

わずか40日の間に5件も…

そこで登戸で発生した無差別殺傷事件と同様に、小中学生や幼稚園児を標的とした無差別殺傷事件が中国でどの程度発生しているのかを調べてみたところ驚くべき結果が出たのである。 

2010年の3~4月にかけて、わずか40日ほどの間に、立て続けに5件の無差別殺傷事件が発生していた。

 
(1)2010年3月23日午前7時20分頃、福建省南平市延平区にある南平実験小学校の校門前で児童たちが登校していた時、中年の鄭民生(男)が刃物を手にして児童たちに襲い掛かり、死者8人、重軽傷者5人を出す惨劇を演じた。犠牲となった子供たちは南平中医院と南平市立医院に運ばれて懸命の救急措置が施された。被疑者の鄭民生は警察によって取り押さえられたが、末端の地域診療所を辞めさせられた医師で疑似精神疾患の患者だと判明したのだった。
(2)2010年4月12日午後4時30分頃、広西チワン族自治区合浦県西場鎮の西鎮小学校の正門から400メートルの地点で、死者2人、負傷者5人を出す無差別殺傷事件が発生した。
公安機関に逮捕された被疑者は40歳前後の男で、刃物を持って小学校から帰宅途上の児童に襲い掛かったもので、死者2人の内訳は8歳の児童と老齢の婦人であり、負傷者5人は児童2人、未就学児童1人、中年の夫婦1組であった。被疑者は精神病患者であったと広西チワン族自治区北海市党委員会宣伝部は調査結果を公表した。
(3)2010年4月28日午後3時頃、広東省湛江市の管轄下にある雷州市の雷城第一小学校で傷害事件が発生した。それは男1人が校内へ押し入り、所持した刀で16人の教員と児童を負傷させたものであった。雷州市公安機関の初歩的調査によれば、被疑者は33歳の陳康炳で、雷州市白沙鎮洪富小学校に勤務する教員であり、2006年2月に病気休暇の手続きをして4年以上にわたって休業していた。
(4)2010年4月29日午前9時40分頃、江蘇省泰興鎮にある中心幼稚園で殺傷事件が発生し、31人が負傷した。その内訳は、幼稚園児28人、教員2人、保安係1人であり、被疑者は現行犯で逮捕された。被疑者の徐玉元は1963年生まれで当時47歳の無職であった。彼はかつて保険会社に勤務していて2001年に解雇されたが、それ以前から違法なマルチ商標に従事していたという。
(5)2010年4月30日午前7時40分頃、山東省濰坊市坊子区九龍街道にある尚庄小学校へ尚紹村の村民である王永来がハンマーとガソリンを持って押し入り、ハンマーで就学前クラスの児童5人を殴って負傷させた後に、2人の児童を抱きかかえたまま自分でガソリンをかぶって火を点けた。児童2人はすぐさま救出されたし、負傷した児童5人に命の危険はなかったが、王永来はその場で焼け死んだのだった。

これらは、いずれも小学校の児童や幼稚園の園児を標的にした無差別殺傷事件だが、(1)は医師、(3)は教員と比較的教育レベルが高く、(1)と(4)は解雇された経験があり、(2)は長期病欠と職にあぶれて生活が困窮していた可能性が強く、そのはけ口を無力な小学生と幼稚園児に求めたとも思える。また、(2)が(1)の、(4)が(3)の模倣か否かは分からないが、類似の事件がわずか40日間に5件も発生したことは偶然とは言えないのではないだろうか。