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衝撃…中国で子供を狙った「無差別殺傷事件」が頻発していた

貧富格差が騒乱につながって…

5月に起きた2つの事件

2019年5月28日午前7時45分頃、神奈川県川崎市多摩区の小田急小田原線とJR南武線が交差する登戸駅からほど近い登戸新町の路上で刃物を持った男が登校中の小学生らを襲撃して、死者2人、重軽傷者17人を出す殺傷事件が発生した。死亡したのは小学6年生の女児(11歳)と娘の登校に付き添っていた外務省の職員(36歳)であり、重軽傷者は小学1~6年の児童16人と40代の女性であった。

被疑者は現場から5キロメートルの距離にある川崎市麻生区に居住する51歳の男であったが、彼は4本の包丁を事前に準備し、両手に各々包丁を1本持ってわずか数十秒間で19人に切り付けて死傷させた。彼は犯行の直後に包丁で自分の首を切って自害したところを警察によって身柄を確保されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。被疑者が死亡したため、動機の追究は困難なものとなったが、これは明らかに無差別殺傷事件であり、日本では数年おきに発生する悲劇である。

 

同じ5月28日の夜6時過ぎに、中国広東省恵州市の中心部に位置する恵城区で無差別殺傷事件が発生した。被疑者は“90后(1990年代生まれ)”の男で、酒に酔って犯行に及んだものだが、地元の公安当局によれば、被疑者の男は走っては人に切り付けることを繰り返し、少なくとも1キロメートルを走り続け、見ず知らずの通行人8人に重軽傷を負わせた。男は公安当局によって身柄を確保されたが、医院に搬送された被害者たちの状況は安定し、現状のところ死亡者はいない模様であるという。

その4日前の5月24日にも江西省の省都、南昌市で類似の無差別殺傷事件が発生した。24日当日の午後5時18分頃、南昌市公安局紅谷灘分局は新区鳳凰中大道で傷害事件が発生したとの通報を受けた。警官がすぐさま現場へ急行し、現行犯で32歳の男を逮捕すると同時に、救急車を手配して被害者である24歳の女性を医院へ搬送した。女性は鎖骨下動脈を切断されていたため、医院では挿管を行って心肺蘇生などの救命措置を施したが、懸命の治療の甲斐なく死亡した。

その後の取り調べで判明したところによれば、被疑者の男は結婚相手が見つからないので、社会への不満を募らせて報復を志向し、街で綺麗な娘を見付けて殺害した後に自分も自殺することで、あの世で夫婦になろうとしたのだという。

殺意を持って獲物を物色していた男は鳳凰中大道で散歩中の女性3人組に出会い、最初はその中の背が高い白い服を着た女性を殺害しようとしたが、3人の後方に迫った時点で、被害者の方が色白で美人であることに気付き、標的を変更して被害者の頸部大動脈に刃物で切り付けたのだった。公安局に事件を通報したのは白衣の女性だったが、彼女はこの供述を聞いて怯えると同時に被害者に対し申し訳ない気持ちになったという。

女性3人組は師範大学の同級生で、被害者は弁護士になるのが夢で、大学卒業後に弁護士事務所で研修生として働き始めたばかりだったが、その夢が叶うことはなかったのであった。

中国ではここ数年来、上述のような無差別殺傷事件が頻発している。その発生頻度は日本の比ではなく、ある意味でありふれた事件と言えるほどに多発している。ただし、中国政府の報道規制により中国にマイナスイメージをもたらすニュースは報道されないのが通例であり、たとえ報道されたとしても速やかに削除されるのが常であるから、一般の庶民が事件の発生ならびにその詳細を知ることは少ないようだ。