Photo by iStock(写真はイメージです)

福島の地酒が「世界的日本酒ブーム」の中で快進撃を続ける理由

「身近なお酒」が、やたらと旨い

近年、日本酒の海外への輸出量が飛躍的に伸びています。

海外での和食ブームに追随する形で需要が高まり始め、平成19年に約70億円だった清酒輸出量は右肩上がりで伸び続け、平成29年には約187億円を達成、現在まで8年連続で過去最高額を更新し続けています(参考:国税庁「平成29年 酒類の輸出動向について」)。

その中で今、福島県の日本酒が快進撃を続けていることをご存知でしょうか。

福島県の日本酒は昨年、全国新酒鑑評会において金賞受賞数6年連続で日本一という、明治時代から続く鑑評会史上で前人未踏の記録を打ち立てました。

そして先日、5月17日に発表された最新の鑑評会でも福島県は金賞受賞数1位となり、記録はついに7年連続へと更新されたのです。

福島県の平成17年[酒造年度]以降の記録。14年間全てで金賞受賞数1位、または2位を獲得し続けています。https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32031c/20190517sake.html
拡大画像表示

厳しい審査を勝ち抜いて

もちろん、鑑評会で評価されることが日本酒の魅力の全てではありません。新酒鑑評会は開催要項にもあるように、「製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質及び製造技術の向上に資するとともに、国民の清酒に対する認識を高めること」が目的とされています。金賞は、「日本酒が持つ多彩な魅力の一面と、蔵元の高い技術が表現されたお酒」という評価の証と捉えていただくのがよいでしょう。

とはいえ、全国新酒鑑評会で金賞を獲得することは、やはり容易ではありません。

出品する酒は、ひとつの製造場につき1点のみ。今年度は857点の出品になりましたが、入賞酒は416点。金賞は、それら入賞酒の中から選ばれた237点で、出品酒全体の約27.6%となりました。

 

出品数に対する入賞と金賞の比率は例年ほぼ変わらず、全国の蔵元から最高の1本ばかりを集めながらも、最終的には毎年、出品酒の4本に1本程度しか金賞にはなり得ないのです。

また、審査も厳しく行われます。銘柄ばかりか色さえも判らないよう、全てのお酒が琥珀色に着色された同じグラスを用いての目隠し審査となり、恣意的な判断が入り込む余地はありません。

実際に使われる審査カードと同じもの
拡大画像表示

これほどレベルの高い鑑評会ですから、評価の差はいずれも紙一重であるといえます。たとえ金賞常連の酒蔵であっても、毎年金賞とは限りません。

では、福島の酒は、なぜ金賞受賞数が多いのでしょうか。