発売戸数が4割減…首都圏・新築マンションの異変が暗示すること

価格暴落はあるのか、ないのか
加谷 珪一 プロフィール

デベロッパー経営問題と価格動向は関係する?

マンションのデベロッパーは、予定戸数を販売できなければ赤字になってしまうので、売れ行きの悪化は業界にとって大問題である。だがひとくちにデベロッパーといっても、その経営体力は千差万別である。大手デベロッパーであれば資金に余裕があるため、仮に売れ残っても、しばらくは在庫として寝かせ、徐々に売り切る戦略に転換するだろう。

在庫の処分に際しては、多少の値引きが期待できるが、相場全体が崩れることを避けるため、あからさまな値引きはしない可能性が高い。

 

一方、経営体力がないデベロッパーの場合、予定戸数を売り切れなければ、最悪の場合、資金ショートで倒産することになるが、すべての物件が一般市場で叩き売られるわけではない。金融危機寸前までいった2003年のような事態ともなれば、投げ売り物件が大量に市場に出回る可能性もあるが、そこまでの状況は今のところ想定しにくい。

しかも2003年当時においても、投げ売りされたのは、一棟モノの物件や一部の中古物件であり、新築の分譲、あるいは新古物件の価格が総崩れになったわけではない。人口が集約する都市部の物件や駅に近い利便性の高い物件であれば、大きく値崩れする可能性は低いだろう。

もし都市部のマンション価格がこのまま高い状態で推移するのであれば、賃貸住宅の整備など、従来とは異なる住宅政策が必要となってくるかもしれない。