発売戸数が4割減…首都圏・新築マンションの異変が暗示すること

価格暴落はあるのか、ないのか
加谷 珪一 プロフィール

意外と多い「実需による購入」

首都圏における不動産価格の高騰は、投機的な側面と実需的な側面の2つが組み合わされたものである。ここ数年、外国人投資家(主に中国人投資家)を中心に、首都圏の高級物件を買い漁る動きが顕著となっており、これが不動産価格の上昇に弾みを付けたのは事実である。

外国人投資家が日本の物件に目を付けたのは、アベノミクスによる円安によって外貨ベースの不動産価値が大きく下がったからである。こうした投資家は逃げ足がはやく、価格上昇が鈍化すればすぐに売りに出すので、場合によっては相場を崩すきっかけとなる。

 

だが、首都圏のマンション購入はこうした投資家だけに支えられているわけではない。実際に住むための実需として購入する人も多く、今後もその動きが継続する可能性が高い。

もっとも首都圏のマンション価格は軒並み上昇しており、2010年に4716万円だった新築の平均価格は2018年には5871万円になっている。この金額になると35年ローンを組んだ場合の利子を含む総支払額(固定金利1.69%と仮定)は7700万円を突破し、一般的なサラリーマン層ではとても手が出る水準とはいえなくなってくる。

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では、ここまで価格が高騰しているにもかかわらず、自己居住用にマンションを買う人がいるのはなぜだろうか。それは日本社会の変質と密接に関係している。

日本は今後、総人口の減少フェーズに入ってくる。今までは、総人口はあまり変わらず、高齢化が進むだけだったがこれからは違う。人口の減少というのは、同じ人口分布のまま人の数だけが減ることを意味していない。

総人口が減ると、商圏の維持が難しくなる地域が出てくることから、都市部への人口集約が同時に進む。都市部に人が集まりながら、全体の数が減ってくるので、逆に都市部では人口が増える可能性すらある。