日本がF35を「爆買い」のウラで、米軍はF15の大量購入を決めた

やはり、騙されているのか…?
半田 滋 プロフィール

しかし、F2後継機を米国と共同開発した場合、完成まで数年を必要とし、生産開始はそれ以降となる。生産を分担して米国に代金を支払うとしても、これでは4月からの自由貿易協定の交渉に間に合わない。

そこでトランプ氏の求める「F35の大量購入」が浮上したのだろう。大量購入を迫るトランプ氏の意向を反映させて、「105機はすべて米国からの輸入とする」ことも閣議了解に盛り込まれた。

 

無駄遣いだと知りながら

だが、この閣議了解は、あまりにも乱暴である。

まず第1に、まだ使える99機のF15を退役させて廃棄するか、安倍政権で始まった武器輸出の対象とするほかない点に問題がある。

常々、安倍首相は「日本を取りまく安全保障環境が悪化している」と言明する。武器輸出は、世界の安全保障環境の悪化を促進することにはならないのだろうか。

第2の問題は、現在、日本国内で組み立てているF35をすべて輸入に切り換えることにより、1870億円もの国費をかけて構築した三菱重工業などの生産ラインが今後使われなくなり、投資が無駄金になることである。

「安倍一強」の下、軍事的合理性を無視して戦闘機の後継機選びに手を突っ込み、その挙げ句、まだ使えるF15を退役させ、防衛費の無駄遣いと知りつつ強行したのが「105機のF35大量購入」なのである。

そもそもF35は、それほど優れた戦闘機なのだろうか。

その答えは米政府がF35ではなく、F15EXを80機も購入することから明らかだろう。問題のひとつは、機体そのものにある。

米会計検査院(GAO)は今年3月、「F35は深刻な欠陥を抱えたままで、今後数年は解決しない問題もある」と指摘した。

「危機的で安全性や重要な性能を危険にさらす」とした深刻な欠陥は、昨年の報告書で指摘された111件のうち13件が未解決のままだ。昨年12月に運用試験が始まった後にも新たに4件が判明したという。

F35に対するGAOの評価は、現状では「欠陥機」ということになるが、GAOの指摘の感想を求められた岩屋防衛相は記者会見で、「不具合があった場合は原因を特定して対策を講じ、運用を継続する」と述べた。「F35ありき」なのだ。