日本がF35を「爆買い」のウラで、米軍はF15の大量購入を決めた

やはり、騙されているのか…?
半田 滋 プロフィール

米軍が導入するのは、老朽化したF15C/D型の代替機。空中戦専用のC/D型と違って、EX型は対地・対艦攻撃が可能な戦闘攻撃機となる。

なぜ米国は、40年以上も前に開発されたF15をいま購入するのか。

ダンフォード統合参謀本部議長は3月にあった米上院軍事委員会で「機体価格でF15EXはF35と比べて少し安い程度だが、維持管理費の面では、F15EXはF35の半分以下である。機体寿命の面では、F15EXはF35の2倍以上である」と明快に説明した。

 

一方で「米空軍の将来の主力戦闘機はF35であり、彼ら(米空軍)はそこから離れることはない」とも述べた。このような突き放した言い方をしているのは、米政府や米議会で価格、維持費、性能の各面でF35への批判が高まる中、F35にこだわり続ける米空軍への批判が込められているからだ。

F15EXの性能について、製造元である米ボーイング社は、米ロッキード・マーチン社のF35と比べて(1)ミサイルや爆弾の搭載量が多い、(2)航続距離がより長い、(3)速度もより速い、といった利点を挙げる。

F35購入決定の裏事情

確かにF15EXは、F35の最大の特徴であるレーダーに映りにくいステルス性で劣るものの、戦闘攻撃機としての能力はF35を上回る。

では、どうして日本政府は「105機のF35追加購入」を決めたのか。

実は昨年の閣議了解の前まで、防衛省でもっぱら検討されていたのはF2戦闘機の後継問題だった。F2は2030年ごろに機体寿命を迎えることが分かっていたからである。

防衛省はF2の後継機開発をめぐり、国際共同開発を最有力として米英3社に後継機のアイデアを募集する情報要求書を渡し、3社から回答を得ていた。

一方、その後「105機のF35追加購入」に伴い退役することになるF15は、退役時期が決まってないことから、この時には後継機の選定は始まってもいなかった。

F2とF15で後継機との入れ替え時期の順番が逆転したのは、ひとえに「安倍政権のお家事情」と考えるほかない。

トランプ大統領は就任した2017年1月、早々にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱、カナダ、メキシコ、中国と相次いで2ヵ国間の貿易交渉に取り組み、今年4月からは日米の自由貿易協定の交渉が始まる段取りになっていた。

トランプ氏は、日本からの輸入車にかける関税を現在の2.5%から「25%に引き上げる」とぶち上げたり、「日本車輸入の数量規制をする」と脅したりもしていた。

その一方で、2017年11月に初来日した際、トランプ氏は「非常に重要なのは、日本が膨大な武器を追加で買うことだ」と述べ、具体的にF35などを例に挙げて、武器購入を迫っていた。

トランプ大統領とF35(Photo by gettyimages)

こうしたトランプ氏の出方に対し、安倍政権は「(輸出額のトップを占める)自動車を守るには、米国製武器の大量購入以外にない」と考えたのではないだろうか。