G20農業大臣会合で無人トラクターとロボットアームに世界が注目

「下町ロケット」も仰天の技術を披露!
松崎 隆司 プロフィール

ロボットが拓く日本農業の未来

この技術は農業だけでなく、遠隔医療や手術支援ロボットなどにも応用することができることから、過疎地域での医療や高度医療の現場でも活躍することが期待されている。また力を拡大したり、縮小したりすることもできることから、微細な仕事をしたり、逆に工事現場のような大きな仕事をすることもできる。

「すでに渋谷精機の果実自動箱詰ロボット、横河電機のオンライン粘度計、ソフトバンクのPepper、ANAの遠隔釣り体験、大林組の油圧駆動の建設重機などでも利用されていますし、今後さらに今人手不足で苦労しているコンビニエンスストアなどでも活用できるようになると思います」(農水省幹部)

動作を任意に拡大縮小させ、時間や空間を超えて行使できる。しかもその力は触覚によってコントロールできる。まさに夢のような技術の実用化はもう目の前まで来ているのだ。

 

G20農業大臣会合では、ロボットアーム以外にもパナソニック系のベンチャー企業が開発した農業用アシストスーツや自動運転田植機、ドローンによる圃場の低層リモートセンシングに基づく可変施肥技術など最先端の技術が紹介された。

農水省幹部が、今回の会合の意味を解説する。

「これまでのG20農業大臣会合でも、農業の持続可能性についてはいわれてきました。一方、若者を呼び込まなければならないという問題については、労働人口などをみてもアルゼンチンなどの新興国でも農業を若者にどれだけ魅力的な産業にするかという課題は抱えていました。今まで若者や女性に機会を与えて、きちんと教育もして、そうした人たちが農業のバリューチェーンの中でプレーヤーとして活動できるようにするという話はあったのです。しかし具体的にどうするのかという話がなかった。しかし、今回は具体的にどう人材育成するのかについても踏み込んでいます」

ロボットアームを持つ野崎講師

しかし、大きな課題も残っている。

今回のG20農業大臣会合ではスマート農業などの先端技術とともに食品ロスなどを減らすための農業・食品のサプライチェーンの構築なども議論され、農業大臣宣言に盛り込まれている。 

しかし、こうしたサプライチェーンを構築するためには農水省だけでなく経済産業省、環境庁、消費者庁などの協力が不可欠だ。これがどこまでしっかり進めて行くことができるのか、日本の農業は今まさに新しい局面を迎えた。