G20農業大臣会合で無人トラクターとロボットアームに世界が注目

「下町ロケット」も仰天の技術を披露!
松崎 隆司 プロフィール

日本は世界の中で“農業課題の先進国”

G20農業大臣会合は現在、フランス、英国、ドイツ、米国、日本、イタリア、カナダのG7諸国とアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、南アフリカ共和国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、欧州連合(EU)の20か国・地域が参加している。

「参加国はG7加盟国に加えてブラジルやアルゼンチンなど開発途上国というより新興国、先進国よりの国です」(農水省幹部)

 

その後、穀物の価格は安定したことから農業大臣会合はしばらくおこなわれなかったが、2015年のトルコのアンタルヤのサミットにあわせてイスタンブールで農業大臣会合が再開された。

地球温暖化が大きな社会問題となり、同年12月にはパリで「気候変動に関する国際連合枠組条約第21回締結国会議」(COP21)が開催され、2020年以降の国際的な温暖化対策の国際的枠組みを定めたパリ協定が締結されている。

「農業の生産性をいかに上げるかというテーマでこの会合が始まり、環境問題とともに農業の持続可能性が話し合われるようになりました。ここから毎年サミット開催国で農業大臣会合が開かれるようになったのです」(農水省幹部)

2016年には中国の西安、2017年にはドイツのベルリン、2018年にはアルゼンチンのブエノスアイレスで開催され、今年は日本の新潟で開催された。

新潟で行われたG20農業大臣会合

今回の新潟での会議には、G20諸国に加え、チリ、オランダ、セネガル、シンガポール、スペイン、タイの6つの招待国とERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)、FAO(国連食糧農業機関)、IFAD(国際農業開発基金)、IFPRI(国際食料政策研究所)、OECD(経済開発協力機構)、世界銀行、WFP(国際世界食糧計画)、WTO(世界貿易機関)の8つの招待国際機関を合わせ、計34の国・国際機関が参加した。

ところで、日本の農業が置かれている状況は決して楽観的なものではない。

日本の農業就業人口は1995年の414万人から2015年には210万人に減少。一経営あたりの平均耕作面積は1.6ヘクタールから2.5ヘクタールへと増加しているが、耕作放棄地も急増。しかも農業従事者の63.5%が65歳以上の高齢者だという。

さらに農業従事者の28%(16年)が赤字で、所得は85%が400万円未満。自分たちで単価を決められないから所得が増えない。

このまま何も手を打たなければ、日本の農業は衰退してしまうかもしれない。こうした中で、G20農業大臣会合を開くどういう意味があるのか。

「先進国はいずれも人口減少の問題を抱えています。しかも農業人口に占める高齢者の割合は多い。新興国もまたいずれはそうした問題を抱えることになる。日本は世界が抱える問題を世界に先駆けて対応しなければならない立場にあるのです。だからどう対応するのか、世界中の人たちが関心を持ってみているのです」(農水省幹部)