写真=松崎隆司(全点)

G20農業大臣会合で無人トラクターとロボットアームに世界が注目

「下町ロケット」も仰天の技術を披露!

私は見た! 無人走行トラクターは高性能だった!

東京から上越新幹線で2時間余。新潟駅からさらにバスで1時間ほどいったところに、有限会社米八の圃場(新潟市南区)がある。

新潟市は2014年に国家戦略特区に指定され、その後18年に「米八」の圃場を借りて「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を推進していた。

プロジェクトに参加しているのは、新潟市のほかには農業機械大手の「ヰセキグループ」、ドローンの測量サービスを行う「スカイマティクス」、農地管理システムを手掛ける「国際航業」、クラウド型農業支援システム「アグリノート」を開発した「ウォーターセル」だ。

各社の革新的な技術を組み合わせ、スマート農業(ICT田植機、ICTコンバイン)やリモートセンシング(ドローンや人工衛星)で得られた情報を「アグリノート」に集約することで一元管理し、稲作の省力化や高品質化に向けた量的評価を行う実証実験に取り組んでいる。

 

G20農業大臣会合に参加した海外の要人<24か国・地域(日本を含める)>を集めて、この取り組みの視察が行われた。5月12日、G20最終日最後の締めのイベントとして紹介された。

水田では一台のトラクターがスタンバイしていた。操縦席にはだれも座っていない無人走行トラクターだ。

日本では、すでに10年ほど前からGPS(衛星利用測位システム)コントローラーを使って既存のトラクターを自動運転するものが使われている。さらに準天頂衛星を使った無人走行トラクターが開発され、2017年6月にはクボタがモニター販売を開始、2018年10月にはヤンマーアグリが市販、12月には井関農機がモニター販売を開始。三菱重工も現在開発を進めている。

今回披露されたのは、井関農機の最新型無人走行トラクター「TJV655R」だ。

無人走行トラクターが動き出すと、要人たちの視線が集まる。

無人走行トラクターの数十メートル前にはマネキンが置かれている。ちょうど池井戸潤氏の小説をドラマ化したTBSの「下町ロケット(「ヤタガラス」編)」のワンシーンを見ているようだ。

トラクターはマネキンをセンサーで察知すると、3メートル前で緊急停止。圃場の前に貼られたテントからは「オオー」という要人たちの歓声があがったという。

デモンストレーションの後で行われた吉川貴盛農水大臣の囲み会見では、「日本の農業の在り方が変わっていくという実感を持ってもらえたと思う」とその思いを語った。

G20農業大臣会合は、2011年に、フランスのパリで行われたのがスタート。G20は当初、金融問題を議論するために行われていたが、2007年ごろにはバイオ燃料の需要急増からトウモロコシ、さとうきびなどの穀物価格が高騰した。

この時はいったん落ち着いたものの、2010年後半に再度穀物価格が上昇。こうした事態にどう対応するのかを検討するために始まったのが、農業大臣会合だった。

「その国の農業振興をはじめ、世界市場に与える影響はどうなのかを検討することからはじまったのが農業大臣会合なのです」(農林水産省幹部)