丸山ゴンザレス「アジアを席巻する格闘技イベント」に潜入!

「ONE Championship」観戦記
丸山 ゴンザレス プロフィール

最強幻想の終焉とヒーローの創造

2019年、日本に上陸したONEは、すでに日本の格闘技イベントの数段上の存在になっていた。アジア圏での成功を背景にして、名誉や金(ファイトマネー)のために日本人選手が目指す舞台となっていた。ブランドイメージの確立に成功したのだ。契約選手には様々な団体のチャンピオン経験者も多く、UFCチャンピオンだったデメトリアス・ジョンソンやエディ・アルバレスの参戦なんかもそのあらわれのように思えた。

クアラルンプールに同行取材した渋谷選手は、かつて和術慧舟會HEARTSに所属していた。ここは私が通っているジムでもある。

会長の大沢ケンジさんとは、公私にわたって交流している。大沢さんは、修斗、WEC、DREAMなど、日本や海外で戦ってきた元プロ格闘家で、現在では解説者としても有名だ。格闘技界の松木安太郎といわれることもあるハイテンションの解説は名物となっているので、ご存じの人も多いだろう(個人的には格闘技界の川平慈英だと思っている)。元ONE世界ストロー級王者の猿田洋祐選手が所属することからも指導者としての実力をうかがうことができる。そんなわけで、大沢さんを通じて格闘技界の大物たちとも話す機会があった。

格闘技界の特権階級に寄生しているみたいな動きをしている私だが、格闘技界で何が起きているのかを断片的に探ることができるので、非常にありがたいのだ。自分だけで考えていると、どうしても考えがズレていってしまうこともあるので、この手の話題はいろんな人とすり合わせていったほうがいいと思っている。

 

さて、このように格闘技界のコネを使って利権を手にしていくなかで、日本大会の2日前の2019年3月29日、東京大手町のパレスホテル東京で開かれたONEのガラパーティに参加することができた。大沢さんのおかげで参加を打診されたのだ。

招待状がメールで届き、気にもとめていなかったドレスコードの項目を大澤さんに指摘されてから確認すると、「ブラックタイ」とあった。

もちろん単純に黒いネクタイのことではない。海外ではよくあるタキシード着用を指しているのだ。

「もういいっす。ダメって言われたら帰ります」

私のサイズ(XL超)に合うタキシードなど簡単に用意できるはずもないので、グズってみたものの、せっかくの機会を逃すのももったいない。結局、シンプルにスーツで出席することにした。念の為、運営サイドに確認したら「スーツでもいいですよ」とのことだった。「大丈夫だろ」ぐらいな感じで会場に着いてみれば、ほとんどの人がタキシードだったが、スーツ姿もちらほら。

パーティ会場で書家のライブペイントで仕上げられた日本大会のキャッチコピー「新時代」

女性の方はパーティドレスを着こなし、片手にシャンパンを携えたキレイな人たちが多かった。近年、こういうパーティに出席した記憶がない。

並の日本人には馴染みのないスタイルからも、国際ルールというか、日本の枠組みではないところから仕掛けようとしている。そう思わされた。