「北海道の尾瀬」とも言われている雨竜沼湿原の展望台からの撮影です。
雨竜沼湿原は、北海道の日本海側のちょうど真ん中辺りに位置する暑寒別岳(標高1491.6m)の東側に位置しており、標高1000mの高原にある湿地帯です。
湿地の生態系を保護するために制定されたラムサール条約にも登録されています。
湿原には、雨竜沼をはじめ多くの沼が点在し、雪解けの春から秋までは、ミズバショウやエゾカンゾウなど多くの高山植物が咲き乱れます。数年前には「ウリュウコウホネ」という新種のスイレンも確認されています。
この日は、雨竜沼湿原と朝日、そして雲海を撮影するため、真夜中から登山を開始しました。
朝日には間に合いましたが、雲海は山の向こうの雨竜町の上空に留まって、湿地の上空は一点の雲もなくすっきりしていて、がっかり……。
おちこんだまま、少し休んでいると、なんと、雨竜町の上空の雲海が、山を越えて雨竜沼湿原の方に溢れだしました。
山の切れ間からポッとこぼれた雲は、瞬く間に湿原全体に広がっていきました。
見たこともない絶景に唖然として声も出ず、ただ、黙々とシャッターを押していました。