川崎事件「犯人は在日」悪質デマに日本籍の在日コリアンが思うこと

そして、私が父とLINEをする理由
金村 詩恩 プロフィール

「日本籍の在日コリアン」として

「日本籍の在日コリアン」

ナショナリティとエスニシティが同じになっていることが当たり前の社会でこの表現はなかなか理解されない。

「日本国籍を取得したから日本人になればいい」と日本のひとたちからなんの気なしにいわれるが、わが家には祖母が買ってくれたという螺鈿の置物と母が生まれる前からあるという60年物の朝鮮人参酒がリビングに置かれていて、給料日前に食べる料理といえば、冷えたごはんのうえにあまった野菜をナムルにしたものをのせて、コチュジャンとごま油をまぶして食べるものだ。

在日としての生活は国籍を換えたとしてもずっとつづいていく。

もちろん、そんな生活をしているわたしたちはネットや路上でころがるヘイトスピーチとも出会っている。

それでもなお、わたしたちは日本国籍を取得したので「日本人」になったと思われている。

 

父とのLINEはこれからも続く

一方、在日の社会では日本国籍を取得したひとたちと「同胞」と「見なして」いるものの現実的には「日本国籍を取得したから韓国籍や朝鮮籍に比べて守られている」と語るひとたちや「国籍を替えるなんて……」と「同化」してしまったわたしたちを冷ややかな目で見てくるひとたちがいる。

ただでさえ南だの北だの分断されているわたしたちがつぎは国籍で自らを分断しているのだ。

そのような状況でわたしがヘイトの対象になったとしても法律の適用外だし、同じ民族であるはずのひとびとが動いてくれる可能性も少ない。