そもそも自分が元気で機嫌よくないと、周りも元気にはできない。まずは、大切な自分のために、自分の身体の様子を見ながら、つくって、食べよう(できればこれまで料理を妻にまかせて、命あずけていた男子もねー、妻と交代で作ればいいんだよ)。

それはあくまでも職業が料理家である私=料理が好きで苦にならないからでしょう?という声が聞こえてきそう。はい、私は、料理なら唯一、何時間でもやっていられます。ほらねー、だからだよーという声が聞こえてきそう。こちとら年々めんどうになっているんですよー、と。

ただ、そんな人にこそ、そんな50代にこそ、言いたいことが2つある。

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ややこしい料理やめて、シンプル上等!

ひとつは、料理はとてもシンプルで簡単なもんでいいってこと。たぶん、50歳くらいになれば、うっすら、そう感じているはず。

洗って、さやごとグリルに入れて焼いた枝豆、ゆでたほうれん草に醤油と酢をあわせてかけ鰹節をふる、塩味だけでちゃちゃっとまぜて焼いた卵、冷ややっこに、キッチンバサミでざっくざくと切って醤油で和えたみょうがをのっけて……、どれも上等です。

さやごとグリルに入れて焼いただけのそら豆。シーズンがもうすぐ終わるのが寂しい 写真提供/山脇りこ

なにしろ、「家庭で世界中の料理をつくる超人!」が最も多いのが日本
世界で日本人だけでしょう。刺身、みそ汁、ハンバーグ、オムライス、カツレツ、ミートソースに、グラタンまで全部作る超人が、家にいる!驚異です。

無限にアレンジ広がる(広げる)生姜焼き、肉じゃが、すき焼き、世界の鍋(鍋のバリエーション、いくつあるのか!)。焼くってだけでも、ブリてりやき、さんま塩焼き、チキングリル、ビフテキ、鮭のムニエルだー……豚のピカタだー、と365日つなげそうなバリエーションがある。

カレーとなれば、欧風からタイカレー、インドカレーまで、作っちゃう。チャーハンにチンジャオロース、麻婆豆腐、春巻き、餃子!いえい、中華も来い!ww
これらを、(しつこいけど)家で!作る……他国の人はにわかには信じられないと思う。
いろいろ旅してるけど、こんな家庭料理のバリエーションが多い国はない

でも家庭で、そういうもの、できなくってもいいでしょ?ね?
料理本を少なからず出している身で矛盾していると怒られそうですが、私、自著でも書いています、食べ盛り家族を相手にしている人でも、10品くらい納得いくように作れれば、あとはそのバリエーションで事足りるでしょう?と(いろんなレシピを試す拡大路線より、10品、十八番です!と言えるようになった方がいいんじゃないかな?と)。

ましていわんや、50にもなれば、身体も、省エネ推奨モードになって、昔ほどたくさん食べられなくなる。なんか、枯れた味にほっとするようになる。先祖返りか?本来の姿なのか?複雑な料理や重たい鍋がめんどうにもなる。

なので、食べたいな、と思う食材に出会ったら、シンプルに、生で食べる、ゆでる、焼く、心に余裕と道具が身近にあれば、蒸す(蒸篭をだしっぱなしにしておくとカンタン)。たまーに気がむいちゃったら揚げる。時間があれば手はかけずに煮込む、なきゃさっと煮る、(煮物、ほっとします)。

たとえば、薄切りの豚も、塩胡椒で、または醤油たらりで、はたまたそこに酢を足しても、焼くだけでどれもなかなかにおいしいもの。豚を焼いたフライパンにのこった脂で、ちょいとトマト焼いたり、キャベツ焼いたりして添えればいい。

アボカドと味噌を薄切りの豚肉で巻いて焼くだけ 写真提供/山脇りこ

そういう料理は、食材(肉や野菜や魚、乾物など)と、きほんの調味料があればできます