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「整備新幹線」の財源をめぐりJRと対立する「財務省の茶番」

すったもんだが続いていますが
ドクター Z プロフィール

「埋蔵金」の存在

では、最終的な着地点はどこにあるのか。大胆に予測してみよう。

建設費が増加した理由は、景気回復で人件費や資材価格が上がったとする向きがある。それだけであれば、JRは利益増、財務省も税収増と景気回復の恩恵を受けているはずなので、特に国とJRの負担割合を変える必要はないはずだ。

ここで問題になるのは、建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構の見積もりが甘いことだ。結局、同機構はいつまで経っても「財源不足」を唱え続けることになるだろう。

 

真剣に財源探しをするとなると、旧民主党政権時代のデジャブが起こる。同機構が持っている、いわゆる「埋蔵金」の存在だ。

旧運輸施設整備事業団と旧日本鉄道建設公団が統合されてできた同機構は、鉄道建設の他にも、旧国鉄から承継した用地等資産の売却、年金費用等の支払いなど旧国鉄関係業務を行っている。

この特例業務では、多額の利益剰余金が発生した。そこで、'11年度予算では、同機構特例業務の利益剰余金のうち1兆2000億円が国庫に返納されている。'17年度の同機構特例業務勘定をみると、利益剰余金残高は1兆145億円もある。2500億円程度の積立金であれば、業務運営には支障がないので、500億円程度の追加負担は大した話ではない。

財務省の真の狙いは、敵がJRであるかのように見せかけて、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の「埋蔵金」を掘り起こすことなのだ。

『週刊現代』2019年6月8日号より