「義務」が大嫌いな私が「男性育休義務化」にそれでも賛成する理由

制度は手厚いのに、取得する人がいない
治部 れんげ プロフィール

男性の育休取得率およそ90%のスウェーデンの例

では、10倍増の世界とはどんなものか。

一昨年、スウェーデン大使館主催の育休パパ写真展イベントに出た。在日スウェーデン大使のマグヌス・ローバック氏と写真家のヨハン・ベーヴマン氏の対談を私がモデレートした。ローバック大使自身が育休取得の経験があり、妻の海外出張中に双子の赤ちゃんを世話したという。「禅の境地でした」と笑顔で苦労話を語る様子が印象に残っている。

そのスウェーデンでは1970年代に税制が大きく変わり、共働きが有利になったそうで、いまや男性の育休取得率は約90%だ(労働政策研究・研修機構の調査より)。大使自身は片働き家庭で育ち、両親が新しい税制を批判するのを聞いたという。制度を大きく変えれば、一世代後には今と違う社会を作れそう、と感じるエピソードだ。

 

今の日本には、男性育休義務化に反対する女性も少なくないだろう。「うちの夫は育休を取っても意味がない。家事ができないし、やらないから」という声も耳にする。ひとりで家事育児を担ってきた苦労は察して余りある。本当に大変だったと思います。

そんな方々に想像して欲しいのは、今、大きく制度を変えることで、あなたのお子さんが同じ苦労をしなくてもいいとしたら、ということだ。息子や娘が将来、家族を持った時、当たり前のように夫婦一緒に育児をする姿を見ることができたら、それはとても幸せなことではないだろうか。