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「義務」が大嫌いな私が「男性育休義務化」にそれでも賛成する理由

制度は手厚いのに、取得する人がいない

男性の育児休業「義務化」に関する話題を報道で目にした。5月23日には自民党議員の有志が記者会見を開き、その実現を目指す議員連盟の設立を発表。私はこの動きに、全面的に賛成する。

 

「義務」にする必要があるほど、今の日本はまずい

最初にお伝えしておきたいのは、私は物事を押し付けられるのが大嫌いということだ。納税、社会保険料の支払い、子どもを学校に通わせるといった必要最低限の義務を除けば、義務や決まりは少なければ少ないほどいい。

そもそも、自分がいつ働きいつ休むか、いつパソコンに向かい、いつ子どもと遊ぶか、自分で決めたい、と思って今の働き方(フリーランス)を選んでいる。保障はないが自由があるほうが私は気持ちがいい。

「義務やルールが大嫌い」な私が、なぜ「男性育休義務化」に賛成するのか。それは「義務」という強い言葉に対する拒否感より、今のままの日本ではまずい、という気持ちが強いからだ。結論から言えば、義務という社会主義的な方法を取ってでも男性の家庭参加を進めない限り、日本の将来はお先真っ暗だと思っている。

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先進国なのに父親が「男親だから」という理由で夜遅くまで帰宅できず、平日子どもの顔を見られない社会は、出生率を云々する以前の問題として、間違っている。それは、先進国にふさわしくないし、幸せな社会でもない。本来であれば、個人の意思が尊重され、帰りたい人は早く帰宅して子どもや家族、恋人や友人と過ごし、仕事をしたい人は徹夜でも何でもする。それを自由にできるのが、私にとっての理想社会である。

男性の育休取得者を「10倍」にするくらいの変革を

ただ、現実は個人の自由からはほど遠い。コンビニの店長が24時間営業で過労死しそうと訴えても、営業時間を変えるのが難しいのが現実だ。育休をすんなり取得できた男性も周囲にいるが、上司に嫌味を言われたり、復帰時に嫌がらせをされたりしたパタハラ(※)の事例もたくさん聞いている。「男は夜遅くまで働くのが当たり前。休まないのが当たり前」という思い込みは、日本の職場に深く根付いて父親たちを苦しめている。

※パタニティ(Paternity=父性)・ハラスメントの略。男性社員の育休取得などに関する、 上司・同僚からのいやがらせを指す。

政府は男性の育休取得者が5.14%(厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査」より)であるのを、2020年には13%にすることを目標としている。しかし、この現実を変えるためには、男性の育休取得者を前年比何%増という、小さな改善の積み重ねでは無理である。ここには思い切ったショック療法が必要だ。