地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
世界初の実用的な蒸気機関車を製作したことで知られる発明家、ジョージ・スチーブンソン(George Stephenson、1781-1848)が、この日、イングランド北東部のノーサンバーランド州にあるウィラムという町に生まれました。
貧しい家庭に生まれ、学校に通うことができなかったスティーブンソンは、14歳から炭坑で働きはじめますが、教育の重要性を感じて18歳から夜間学校で読み書きと算数を学んだそうです。
その後、炭坑で働きながら、ギアやポンプの修理を請け負うようになり、次第に機械に精通するようになりました。炭鉱夫としての給料では生活が厳しく、時計などの修理も内職としていたそうです。
1813年、炭坑主から、馬で引くトロッコに代わる蒸気機関車の製作を依頼され、翌年、「ブリュッヘル号(Blutcher、または命名のもととなったドイツ軍人の名前からBlücher)」の試運転に成功しました。
線路上を走る蒸気機関車は、やはり炭鉱夫の出身であったリチャード・トレビシック(Richard Trevithick、1771-1833)によって19世紀初頭に発明され、その後も試作されていましたが、ブリュッヘル号が登場するまで、本格的な実用化には至っていませんでした。
スチーブンソンはその後、1825年にストックトン~ダーリントン間の21キロメートルに世界初の旅客用鉄道ストックトン・アンド・ダーリントン鉄道(Stockton and Darlington Railway:S&DR)を開通させています。
彼が採用した線路幅である1435mmは、世界標準として採用され、標準軌となりました(日本の主な鉄道は1067mmの狭軌)。英国をはじめ、ベルギー、スペインなどで技師・顧問として鉄道建設に携わったスティーブンソンは、現在では「鉄道の父」と呼ばれ、また19世紀イギリス・ビクトリア朝時代の代表的な立身出世像としても広く知られています。
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