サッカー日本代表には「どんな選手も招集できる」わけではない事情

「日の丸こそ至高」という意識も今は昔
小宮 良之 プロフィール

「クラブの利益」という正論

Jリーグの根底には、日本サッカー強化=日本代表強化が一つの目標としてある。事実、プロリーグの創設と成熟は代表のワールドカップ出場を後押しし、プロ化によって、優秀な選手を次々に輩出するようになった。

しかしいまやJリーグは創立25年を過ぎ、サッカーは地域スポーツとして根付きつつある。各地域でコアなファンを獲得し、クラブとしての夢を掲げ、それを達成することによって、経営が成り立つようになっている。とくにJ2以下のクラブには、その傾向が強い。

 

J1でも、国内やアジアのタイトルを狙い、クラブそれぞれが独自のブランドを作りつつある。クラブにとって、主力選手が抜かれることは、確実な戦力ダウンを意味するのだ。

「所属選手が代表で活躍することで、クラブの人気も上がる」

クラブはその捉え方で、選手を代表に送り出してきた。しかしその均衡は変化しつつある。

「国際Aマッチでもないのに、貸し出すいわれはない」

本来、彼らにはそう言い切る権限がある。高い年俸を支払う、大事な戦力。調子が良いときだけ、ピックアップされても困るのだ。

もっとも、代表が弱体化すれば(例えばワールドカップ出場を逃す)、クラブもその余波を受け、存続の危険にさらされる可能性さえある。故に協力する立場は崩さないし、崩すべきでもないだろう。しかしクラブ側が、自分たちの利益を守る、というのも正論なのだ。

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